花冷えの夜・・・
花を一気に咲かせた暖かさは日中のみで、早朝や日没後はぐんと気温が下がります。 こう寒暖差が激しいと、うっかり薄着で出かけてしまうと後悔しますね。
日の出前の空は、柔らかく暖かそうな色なんだけど、やっぱ寒いよう・・・。
それでも真冬の冷たさとは違いますので、早朝散歩も楽になります。 考えれば、雨の日も雪の日も、凍りそうな朝も早朝散歩を欠かしたことがないので皆勤賞ものですね。
本日は春分の日でおやすみなので、お昼の散歩にも行きました。
散歩コースのコブシも満開です。 このコブシの木はいつからあるんだろう? 私の年齢より長いんじゃあないかな。 以前、治山事業で切られそうでしたが、ぎりぎり工事範囲から外れて生き延びました。
こうなったら、ずーっと残って欲しいですね。
【謎の箱の正体】
さてさてお待たせいたしました。 前回の記事で、いやに含みを残した謎の箱(#^^#)
手前の丸窓にはフィルターを収めるスリットがあります。
これが今回の実験のキモ。 紫外線は透過するけれど、可視光はカットするという特殊なフィルターです。
取り出したるは、紫外線を照射する小型ライト。 UVレジンを硬化させたり、鉱物を光らせたりするやつです。
その紫外線ライトを箱にセット。
フタをすればこんな感じ・・・。 お尻が飛び出しているのは、ライトのON/OFFのスイッチがここにあるからです。
ではこれで何をするのか? ・・・は、長いけれど以下をお読みくださいませ。
【虫の気持ちシリーズ特別編】
昆虫は見ている光の波長が我々人間と異なり、紫外線をみることもできるとか。 ・・・とすると、美しい花もまったく違った色彩となっているでしょう。
昆虫が紫外線で見ている世界を覗いてみたい・・・のですが、そもそも人間の目は紫外線を捉えることができないので、なんらかの方法で撮影するということになりますね。
それにはいくつかの問題もあります。
・一般のカメラは赤外線・紫外線は画像に悪影響を与えるということでカットする
フィルターが付いている。
・可視光を抑え紫外線だけをキャッチしなければならない。
余談ですが、ニコンのレンズで紫外線撮影に適した『UVニッコール105mmF4.5(Fマウント)』が1997年に発売(再販売?)されていたようです。 当時の希望小売価格で約40万円というビックリレンズ。
中古品でも現在は超希少で、手に入れるのはよっぽどの僥倖が必要でしょう。
ま、産業用レンズとして現在も受注生産はしてくれるようですが、詳細はよくわかりません。
ということで、紫外線写真というのはハードルが高く、そうそう簡単に撮れるものではないのですな。 以上の事を踏まえ検討した結果、まずは『紫外線励起蛍光写真』を撮ってみようと考えました。
【紫外線励起蛍光の基礎】
量子力学において、原子・分子などのとりうる状態のうち、もっともエネルギーの低い状態を基底状態といいます。 紫外線などの照射(励起光)でエネルギーの高い状態(励起状態)となると、多くは光を放出してもとの基底状態に戻ろうとします。
放出された光は励起光の波長より長い波長の光となり、それが可視化した蛍光というわけで、その蛍光を撮影したものが『紫外線励起蛍光写真』ということになります。
虫が見ている世界とは完全に一致してはいないけれど、ふだんとは異なった不思議な世界を垣間見ることはできるとは思います。
仕組みとしては簡単で、紫外線ライトの前面に『紫外線は通すが可視光はカットする』フィルターをセット。 それを対象に照射して、放出された蛍光を撮影するというものです。
(紫外線ライトの直接照射だけでは可視光も多分に含まれてしまうため、紫外線のみ通過するフィルターを付ける)
さてさて、どんな写真が撮れるかなあ。 ちなみに、私が撮ろうとしている紫外線励起蛍光写真は、物理学的に厳密なものではありませんのでご了承ください。
では、紫外線ライトをONにして、部屋は真っ暗にします。
(撮影風景。 対象はハオルチアの花)
補足ですが、通過させる紫外線の波長のピークは340nm(ナノメートル)のフィルターを選択しました。
でも、なんやかや言っても、原理は結局『ブラックライト』やん!
・・・たはは、そう言われてしまえばそうです。 小難しいこと言ってすみませぬ(-_-)
では、いくつか撮ってみましたので紹介します。
ハオルチアの花。 花全体が光ってますね。
アンズの花。 花粉が光ってますが、あとは普通かな?
パンジー。 やはり花粉が蛍光を発しています。 花弁は赤系に・・・。
お仏壇に飾ってあった花(菊?) なんとなく想像通りかも。
・・・実験的にいくつか撮りましたが、露光時間とかホワイトバランス調整とかがまだ経験不足。 練習してまた載せますね~。























































































