2023年3月21日 (火)

花冷えの夜・・・

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 花を一気に咲かせた暖かさは日中のみで、早朝や日没後はぐんと気温が下がります。 こう寒暖差が激しいと、うっかり薄着で出かけてしまうと後悔しますね。

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 日の出前の空は、柔らかく暖かそうな色なんだけど、やっぱ寒いよう・・・。

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 それでも真冬の冷たさとは違いますので、早朝散歩も楽になります。 考えれば、雨の日も雪の日も、凍りそうな朝も早朝散歩を欠かしたことがないので皆勤賞ものですね。

 本日は春分の日でおやすみなので、お昼の散歩にも行きました。

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 散歩コースのコブシも満開です。 このコブシの木はいつからあるんだろう? 私の年齢より長いんじゃあないかな。 以前、治山事業で切られそうでしたが、ぎりぎり工事範囲から外れて生き延びました。

 こうなったら、ずーっと残って欲しいですね。

 

 【謎の箱の正体】

 さてさてお待たせいたしました。 前回の記事で、いやに含みを残した謎の箱(#^^#)

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 手前の丸窓にはフィルターを収めるスリットがあります。

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 これが今回の実験のキモ。 紫外線は透過するけれど、可視光はカットするという特殊なフィルターです。

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 取り出したるは、紫外線を照射する小型ライト。 UVレジンを硬化させたり、鉱物を光らせたりするやつです。

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 その紫外線ライトを箱にセット。

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 フタをすればこんな感じ・・・。 お尻が飛び出しているのは、ライトのON/OFFのスイッチがここにあるからです。

 ではこれで何をするのか? ・・・は、長いけれど以下をお読みくださいませ。

 

 【虫の気持ちシリーズ特別編】

 昆虫は見ている光の波長が我々人間と異なり、紫外線をみることもできるとか。 ・・・とすると、美しい花もまったく違った色彩となっているでしょう。

 昆虫が紫外線で見ている世界を覗いてみたい・・・のですが、そもそも人間の目は紫外線を捉えることができないので、なんらかの方法で撮影するということになりますね。

 それにはいくつかの問題もあります。

 ・一般のカメラは赤外線・紫外線は画像に悪影響を与えるということでカットする
フィルターが付いている。

 ・可視光を抑え紫外線だけをキャッチしなければならない。

 余談ですが、ニコンのレンズで紫外線撮影に適した『UVニッコール105mmF4.5(Fマウント)』が1997年に発売(再販売?)されていたようです。 当時の希望小売価格で約40万円というビックリレンズ。
 中古品でも現在は超希少で、手に入れるのはよっぽどの僥倖が必要でしょう。

 ま、産業用レンズとして現在も受注生産はしてくれるようですが、詳細はよくわかりません。

 

 ということで、紫外線写真というのはハードルが高く、そうそう簡単に撮れるものではないのですな。 以上の事を踏まえ検討した結果、まずは『紫外線励起蛍光写真』を撮ってみようと考えました。


 【紫外線励起蛍光の基礎】

 量子力学において、原子・分子などのとりうる状態のうち、もっともエネルギーの低い状態を基底状態といいます。 紫外線などの照射(励起光)でエネルギーの高い状態(励起状態)となると、多くは光を放出してもとの基底状態に戻ろうとします。

 放出された光は励起光の波長より長い波長の光となり、それが可視化した蛍光というわけで、その蛍光を撮影したものが『紫外線励起蛍光写真』ということになります。

 虫が見ている世界とは完全に一致してはいないけれど、ふだんとは異なった不思議な世界を垣間見ることはできるとは思います。


 仕組みとしては簡単で、紫外線ライトの前面に『紫外線は通すが可視光はカットする』フィルターをセット。 それを対象に照射して、放出された蛍光を撮影するというものです。

 (紫外線ライトの直接照射だけでは可視光も多分に含まれてしまうため、紫外線のみ通過するフィルターを付ける)

 さてさて、どんな写真が撮れるかなあ。 ちなみに、私が撮ろうとしている紫外線励起蛍光写真は、物理学的に厳密なものではありませんのでご了承ください。

 では、紫外線ライトをONにして、部屋は真っ暗にします。

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(撮影風景。 対象はハオルチアの花)

 補足ですが、通過させる紫外線の波長のピークは340nm(ナノメートル)のフィルターを選択しました。

 でも、なんやかや言っても、原理は結局『ブラックライト』やん!

 ・・・たはは、そう言われてしまえばそうです。 小難しいこと言ってすみませぬ(-_-)

 

 では、いくつか撮ってみましたので紹介します。

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 ハオルチアの花。 花全体が光ってますね。

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 アンズの花。 花粉が光ってますが、あとは普通かな?

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 パンジー。 やはり花粉が蛍光を発しています。 花弁は赤系に・・・。

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 お仏壇に飾ってあった花(菊?) なんとなく想像通りかも。

 

 ・・・実験的にいくつか撮りましたが、露光時間とかホワイトバランス調整とかがまだ経験不足。 練習してまた載せますね~。

 

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2021年1月 7日 (木)

冬の白魔術?

 今回は久しぶりに、『たろじろう』の実験コ~ナ~!

 

 うっす、たろじろう先生?じゃ。 いやあ、冷える冷える。 空気にトゲがあるように、冷気が体に突き刺さってきますなあ・・・。 こんな夜は美しくも妖しく、そして体をほんわか包む、あったか~い白まじゅちゅ・・・、うっほん、白魔術をするに限るぞな。

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 マネをする方などいないと思うが、それでも万が一自分で実験するときは気を付けなければいかんぞ。 今回の魔術は火を使うので、特に注意が必要じゃ! 空気が乾燥しているからねえ。 それに万が一の事故に備え、お目々を守るためにも保護メガネを必ずかけませう。

 

 【白魔術 その1 - びびでぃばびでぃ綿棒 -】

 

 用意するもの(したもの)

  ・無水エタノール

  ・綿棒

  ・紙粘土(綿棒を固定するため)

  ・試料としていくつか

    塩(伯方の塩でなくてもいいので普通の塩)

    塩化カルシウム(道路の凍結防止剤など)

    焼きミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム 食品添加物・あく抜きなど用)

    ホウ酸(眼の洗浄用などの用途で薬局にて販売)

    重曹(炭酸水素ナトリウム)

  ・紙コップ(溶液を作るため)

  ・ライター

 

 紙コップに資料をそれぞれあけ、エタノールを混ぜて溶液を作ろう。 (溶けにくいのは、あらかじめ少量の水で溶かした方がいいかな?)

 綿棒にその溶液を浸し、火をつけるのみ。 炎の色の変化を見てみようという次第じゃ。

 

 雰囲気の出るよう、ちょっとしたアイテムを置いてみたよ^^;

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 ①エタノールのみの炎の色

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 炎色の比較のため、エタノールのみで燃やしてみた。

 

 ②塩

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 うーん、わずかに色が変化しているような・・・。 よくわからん。 やはり伯方の塩がよかったかなあ?

 

 ③塩化カルシウム

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 若干赤いような気がする。 溶けにくかったので、溶液が薄いのかも。 うーん、何とも言えん。

 

 ④ミョウバン

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 うむむ、これも何とも言えんなあ・・・。 青系統になってるかな。

 

 ⑤ホウ酸

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 これはスゴい! グリーンの炎。

 

 ⑥重曹

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 おお、赤く燃え上がった。 火力も強くなったぞ。

 

 はいはい、いかがかな? これは『炎色反応』というもの。 学生の頃、科学実験で習ったことがあるだろう。 燃やすと元素特有の色を出すというものじゃ。

 センセ的には『ホウ酸』が一番ぐっときたのでアンコールしちゃいましょう!

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 うーん、妖しい・・・。

 ドーンと鳴った花火は、このように様々な物質で鮮やかな色を付けているのだな。 一般には手に入りにくいものもあるが、身近な素材でもこうして楽しむことができるという次第。

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 魔術に参加していただいたメンバーの皆さん。 しかしこの綿棒での実験は、炎色の同時比較が難しい・・・。

 ということで、追加実験・・・、ではなく、追加まじゅちゅだ~!

 

 【白魔術 その2 - びびでぃばびでぃアルミのお皿-】

 

 次はアルミカップにエタノールを含ませたコットンを入れて並べ、同時に火をつけてみたいと思う。 そうすればいっぺんに色の比較ができるというわけじゃな。

 最初からこれにしておけばよかったような気もするが、まあ魔術にもステップがあるからねえ。

 

 追加で用意するもの(したもの)

  ・アルミカップ(お弁当などで、おかずを小分けするもの)

  ・コットン

 実験その1より火力が強くなるので、引火に気を付けよう。 注意一秒、火がボーボーじゃからな。 金属網にアルミ箔を敷いて、念には念じゃ。

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 こんな風に並べ、その上に試料をパラパラとトッピング。 火をつければ・・・。

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 おおおお・・・。 これは色の違いが分かりやすい。 ただ、④のミョウバンはデータ的にはカリウムの淡い紫の炎なんだけど、うーんかな?

 

 【白魔術 その3 - びびでぃばびでぃカッパの銅線 -】

 カッパといっても、水辺に住むカッパではないぞよ。 銅を使うのだ。 銅は英語でCopper・・・カッパーなんでついカッパが浮かんでしまった・・・。

 魔術その3は、銅線を使った『バイルシュタイン試験』というものじゃ。

 

 その前に化学のおさらい。

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 元素周期表というものがある。 これはセンセがExcelでちょいちょいと作ったので間違いがあるかもしれんが、オーソドックスな表はこんな感じかな?

 現在名前の付けられた元素は118種類で、覚えたこともあるであろう。 ちなみにセンセは118種類全ての名前と順序を記憶しておるぞ、えっへん! ま、それが何の役に立つ?と言われればそれまでじゃが、人より118個の知識が多いという自己満足じゃ。 煩悩より10個も多いのじゃわい。

 しかし記憶とは薄れるものなので、たまにお風呂に浸かっているときとか、トイレで座っているときに元素名を復唱するようにしておる。

 副作用として『あいつは水素なヤツだな』とか『あの人はネオジム人間だなあ』とか、変に変換するようになってしまったかもしれん。 ちなみに水素は燃えやすい・・・すぐに熱くなる、ネオジムの磁石は強力・・・ねちっこい。 などとね。

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 話がだいぶ逸れたが、元素周期表は縦軸が『周期』、横軸が『族』、このうち17族の元素を『ハロゲン族』という。 ハロゲンとは、反応性が高く、アルカリ金属(第1族 水素は除く)、アルカリ土類金属(第2族 ベリリウム、マグネシウムは除く)と結びついて『塩(えんと読もう)』を作る。 ギリシャ語の「alos(塩)」「gennao(つくる)」を合わせて、「halogen(ハロゲン)」となったそうな。

 さて、銅はその対象の物質に、元素(ハロゲン)が含まれているかの試験に使えるのじゃ。 (塩素、臭素、ヨウ素で、フッ素は検出できないそう)

 

 用意するもの(したもの)

  ・銅線(電気コードの被膜を剥いだもの)

  ・ガスバーナー(卓上コンロのガス缶に付けて、バーナーとして使える器具)

  ・ラップ(ポリ塩化ビニリデン製のもの)

  ・塩ビ管

 バーナーとあるので、気軽にできる実験ではないかもね? 無ければキッチンのコンロでも可だけど、有毒ガスの発生もあるので換気に気を付けよう。 あ、あと火傷にもね。

 まず、不要の電気コードの被膜を剥がして、銅線を作る。 それをバーナーで真っ赤になるまで炙るのだ。

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 しばらく冷まして酸化して赤黒くなったら(酸化銅)ラップなどの試料をくっ付けて、再び炙ってみよう。

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 すると、炎が緑色になるはず。 酸化銅が鋭敏にハロゲン物質と反応して、炎色反応を示すというわけじゃな。

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 試料を塩ビ管の欠片にしてみたが、結果は同じ。 バイルシュタインという化学者が考案したので、『バイルシュタイン試験』と呼ばれておるのだな。

 

 以上、白魔術その3である。

 精度はとにかく、実験としては物質の不思議な一面を見られると思うよ。

 

 ついでに、青い色の紙(折り紙?)を燃やしてみよう。

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 緑の炎になるかな? 顔料に銅フタシロアニンという物質が含まれているので、炎色反応を示すということらしいよ。 色と炎色は一致しないというよい例だね。

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 うむ? この写真をよく見ると、炎の中に目が? わわわわ・・・、デビル君を呼び出してしまったあ!?

 

 実験が終わった頃、私の体は冷え切っておった。 火を使う実験だけど、やはり小さな火ではあったまらん~。

 長い記事になったけど、また新たな白魔術を考えておくのでお楽しみに? では、さらばじゃ・・・。

 

 ※参考文献 「元素のすべてがわかる図鑑」(ナツメ社)

       「美しい元素」(学研)

 

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2019年11月22日 (金)

どこでもホタルプロジェクト  - Complete -

 しばらく記事から遠ざかっていたDHPこと【どこでもホタルプロジェクト】。 数々の困難(と言うほどのものではないけれど)を乗り越え、ついに完成に至りました。 

 やれやれ・・・、ようやく安堵感と開放感を感じることができますなあ。 私は物事を中途半端にしておくのはあまり好きではないので、とにかく完成してよかったです。

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 リード線をどんな長さに、そして何色にするか迷いましたが、結局ありあわせのもので間に合わせました。 でも、グリーンは植物の葉っぱで隠しやすいので結果オーライ。 ただ長さが短かったかも?

 手持ちのリード線は10m。 電子ホタルは8匹だけど、+-でそれぞれ使うので16本必要になります。 とすると10(m)÷16(本)で、約60cmがリミット。

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 でも、このくらいの長さの方が扱いやすかったので、まあまあですね。 あんまり長いと、ぐちゃぐちゃのこんがらがり?になってしまったでしょうか。

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 それでも2本分はまとめたいと思い、ねじり始めたけど結構大変な作業。 それで電動ドリルを使ってクルクルクルっと巻いていきました。 おー、早い早い、道具は使いようです。

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 勢ぞろいという数ではないですが、やはりちょっと賑やか。

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 アップにすると、ホタルというよりもゴミムシに近い?よーな気もするなあ・・・。

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 LEDは当初の予定通り、ドミナント波長が570nmの黄緑色を使用。 もっと高輝度のライム色のLEDもありましたが、あんまり煌びやかに輝くと、自然のホタルに近いよりも、ただのイルミネーションになってしまうと考えました。

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 さっそく窓際のポインセチアに絡ませてみました。 ポインセチアは去年買ったもので、1年が過ぎました。 花芽が小さく出ていますので、また真っ赤な苞が見られるかなー。 (ちなみに赤くなるのは葉っぱではなく、花を包む苞という部分だそうな)

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 部屋を暗くすると、本物のホタルのように見えます(かな?)。 呼吸をするように8匹の電子ホタルがバラバラと、そして時には同調して点滅します。

 この様子は近いうちにYouTubeにアップしたいと思います。 これから雪など降れば『雪蛍』なんて、洒落たこともできますな。

 何にしろ、完成してよかったわい。

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2019年3月 7日 (木)

雨ニモマケテ 花粉ニモマケテ・・・

 今年の花粉はホント、ヤバそう・・・。 ちょっと外に出ただけで涙目になるわ、鼻水が落ちてくるわで大変。

 おまけに雨が続きます。 よく雨だと花粉が落ち着くから症状が軽くなるとか聞きますが、私には関係ないかも。 逆に雨の日の方が鼻水の出番が多いような・・・。
 
 こんな体になっちまって・・・。 デリケートな私には、ツラい日々がこれからしばらく続くのであります。

 さらに毎晩空模様が怪しいので星空も満足に見られないし、春の花を愛でるにはここらではまだ早いしで、つまんない。
 
 それではと、せめてこんなものを・・・。
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 これは私が作った結晶です。 クリスタルっぽくていいのですが、なんせ製作時間が短いので脆いし割れやすいのが難。
 
 ふふふ、実はこういうキットがあるのです。
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 『硝子結晶育成キット』というやつです。 あー、こういうのに滅法弱い私でありました。 すぐに琴線がピヨヨ~ンと鳴って、手に入れたくなるのです。

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 封を開くと何やらいろんなアイテムが。 白い粉をこのタッパに入れ、お湯で溶かしてゆっくり結晶化させていくのです。
 
 結晶の足掛かりとなる母岩も付いてます。 結晶がある程度育った時点で、引き上げて水洗いすれば完成。
 
 しかし、ちょっと長い事置いておいたら結晶が大きくなりすぎてタッバの壁にあたり、そこで途切れたようになってしまいました。
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 やはり欲をかくのはいかんなあ。 先が途切れて美しくない結晶を眺めながら、ため息ひとつ。
 
 宣伝するわけではないけれど、このキットは『銀河通信社』というところで販売しています。 他にも何種類かあるけれど、だいぶ前に購入したものだから今でもあるのかな?
 
 とにかく短時間で、地球が長い間かけて作り上げる神秘の世界を見ることができたような気がしただけでもよかった。
 
 気になるのは原料の白い粉。 企業秘密だろうから成分表などもちろんないしね。 でも、私なりに推測してみました。
 
 硝子結晶・・・ガラス? → 火山ガラス? → 火山岩 → シリカ鉱物 → 二酸化ケイ素 → 化学組成 SiO2     (順不同?)  
 
 SiO2は、石英などに代表される、二酸化ケイ素の鉱物。 そういえば結晶の形も似ているしなあ。 
 
 この謎の白い材料は、主にSiO2が主成分なのではないでしょうか? まったくの見当違いなら申し訳ないけれど、当たらずも遠からずと思っています。
 
 二酸化ケイ素が浮かんだついでに思い出したものがありました。 同じ組成(SiO2)を持つものでも、マグマが急激に冷やされて、非結晶化のままガラス状に固まったもの。
 
 これが火山ガラスと言われていて、黒曜石が代表選手です。
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 うちに昔からある黒曜石。 混ざりものが多いけれど、黒い部分はツヤツヤ。
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 割ると断面が鋭く裂け、古代の人々は石器(刃物や矢じり等)に使ったのは、周知のことです。
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 これは矢じり。 
 
 私が中学生の頃、友人と自転車で何キロも走って、土器などが掘れる? ところに出かけ見つけたものです。
 
 土器が掘れるといっても、そこは開墾された畑が広がるところです。 歴史的遺物にまったく興味のないオッチャンたちには、畑から出てくる土器の破片や石器などは、邪魔な石ころと変わりませんので、ひとまとめにポイポイ、ガチャガチャ。
 
 そんな中から、文様の残る土器の破片を集めてくるわけです。 あれからン十年・・・。 あの畑は、今は家が建っているかもしれません。
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 でも、この矢じり。 なんか黒曜石っぽくないから違う石かな?
 
 それでも、コツコツと仕上げた仕事の良さ?が光っています。 これを使ったのは、一体どんな人物だったのか、見てみたい気がします。

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2019年2月10日 (日)

ISSを追え!

 ISSは、国際宇宙ステーション(International Space Station)で、上空400kmを時速約27,700kmで地球を回っています。

 秒速にすると、約7.7km/s。 約90分で地球を一周することになるので、1日16周も回る計算になります。
 
 軌道が日本から観察できるところにあれば、肉眼でも確認することができ、さらに太陽光が当たるとかなり明るくなります。
 
 本日、午後6時5分前後に見られるというので、ちょっと狙ってみました。 しかし生憎雲の多い空模様。
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 それでも出現する北西の空は雲が切れています。 もしやと思い待っていると、光る点がすーっと現れました。
 
 おー、見えるみえる。 ゆっくりと天頂に向かって進んでいきます。
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 高倍率の天体望遠鏡クラスになれば、ISSの形も見られるのでしょうが、やはり星と同じく点です。
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 星を横切るISS。 このあと雲が広がってきて、星を覆い隠してしまいました。
 
 ISSには、日本の『きぼう』という実験棟が搭載されています。  日本初の有人宇宙実験施設で、様々な実験を行っています。
 
 そして『きぼう』を含むISSに、必要な機材、物資を運ぶのが、H-ⅡBロケットで打ち上げられる無人宇宙船『こうのとり』です。 

 『こうのとり』は資材込みで16トンもあるので、万が一ISSに衝突でもしたら、重大な事故につながります。
 
 様々な試行錯誤の上、ISSまでぎりぎり接近し、あとはロボットアームでキャッチするという、NASAも絶賛したという安全なシステムを確立しました。
  
 そこまでいくには大変な苦労があったようで、まさに『下町ロケット』の世界ですね。 興味がある方は、JAXAのサイトを覗いてみると面白いでしょう。
 
 
 ・・・もう一つ、今夜は天体イベントがあったのですが、雲が厚く空を覆ってしまい、断念するしかないようです。
 
 深夜1:05頃、小惑星『クレオパトラ』が『いっかくじゅう座』にある恒星と食を起こすということです。
 
 恒星食・・・つまり、今回は小惑星が恒星の前を横ぎることです。 観察できても、恒星が若干暗くなる程度らしいですが、そもそもこの曇天では何も見えません。
 
 また、『クレオパトラ』は、マンガで犬が咥えてる骨?みたいな形状をした小惑星。 でも、一般の人には、こういった食など間接的にしか存在を感じられないですが・・・。
 
 どの世界にも、まだまだ興味ある刺激的な事柄があると思うと、面白くなりますね。
 

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2019年1月12日 (土)

ハリーポッタロと皇帝の石

 空飛ぶ軽トラに乗り、ポグワーツ幻術妖術学校に行ってきたハリーポッタロ。

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 今日は、ポグワーツの庭木の手入れの手助けを頼まれていたのです。
  
  空飛ぶ軽トラ = 脚立を積んで、何だかジェット機みたいでかっちょいいので?
  ポグワーツ幻術妖術学校 = 庭の手入れ先のS邸
 
 に読み替えてください。
 
 朝8時にポグワーツ幻術妖術学校に着くと、相方のハーマイおじいが既に来ておりました。 
 
 おじいもよく庭木の手入れを頼まれるのですが、独りでは寂しいのかいつもポッタロ(私)を手伝いに呼ぶのです。
 
 ハリーポッタロ 『おー、早いじゃん。 遅かったかなあ』
 ハーマイおじい 『いいさよー。 ぼちぼちやるじゃん』
 
 ぐるっとポグワーツを見回すと、結構庭木が多いじゃん。 デカい木が8本、中くらいが十数本に玉(ツゲやサツキなど、円形または半円形に仕立てたもの)もたくさん。
 
 こりゃ、ぼちぼちやってたら、一日では終わらんぞ・・・。
 
 まずは勢いよく伸びているシラカシからスタート。 枝が太いので、剪定ばさみに力が入ってしまいます。
 
 そうこうしていると、『名前を呼んではいけない植木屋さん』 が、偶然通りかかりました。
 
 『おー、何してるで~』
 『おー、ロンちゃん!(名前呼んでるし)』
 『見てわかるら。 手伝ってけし』
 
 ロンちゃんは、知り合いの本職の植木屋さん。 秘密の部屋(パチンコ)に行くところでした。 これはしめたと、うまく丸め込んで仲間に入れてしまいました。
 
 ふっふ、これで今日中に終われるぞ。 内心ほくそ笑みながら、手入れに勤しむのでありました。
 
 実際、ロンちゃんがいなければ、この木の多さでは明日までかかったでしょう。
 
 目論見通り、まだ明るいうちに帰ることができました。 ありがとうね。
 

 ・・・さて、家に帰りついたポッタロは、軽トラのテールランプが赤く光るのを見て、思い出しました。
 
 それはポッタロの、鉱物コレクションのひとつです。
 
 大切にしまってあるとは決して言えません。
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 小物入れに無造作に放り込んである、ビニールの小袋の中の小石。
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 日光や蛍光灯下では、薄いグリーンの色をしています。 これが白熱電球などの光の下では・・・。
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 少し赤みががって見えます。 ここでは電球の懐中電灯の光で照らしています。 
 
 うーん、やはり宝石とは程遠いクズ石?なので、あまり変化がよくわかりません。 さらに紫外線ライトを当ててみると・・・。
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 鮮やかに赤く光ります。
 
 この石の正体は、アレキサンドライトの原石でした。 クリソベリル(金緑石)という鉱物で、光源によって変色効果のあるものがアレキサンドライトと呼ばれ、宝石になっているようです。
 
 それにしてもネーミングがいいですな。
 
 発見当時皇帝に献上され、アレクサンドル2世の名にちなんで付けられたそうです。 ポッタロはスピ系ではないですが、こうした魅力ある石には惹かれてしまいます。
 
 写真に撮られた後、アレキサンドライトは、また無造作に小物入れに押しこめられてしまいました。
 
 皇帝の石なのに、威厳も何もあったもんじゃないですなー。
 
 エクスペクト・パトローナム!!

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2018年12月 5日 (水)

卓上の惑星

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 重い雲の隙間を紅く染め、朝日が昇りはじめます。 最近こんな朝が多くて、早起きがちょっぴりツラくなくなるかな。
 
 早朝の静けさの中、刻々と変化していく様子を見ていると、まるで別の惑星にいるような感覚を覚えます。
 
 そして、小さな惑星の話。
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 碁石のように平べったい、河原に行けば足元に転っている普通の石ころのようです。
色も黒っぽくて特に美しくないし、まったくの平凡そのもの。
 
 それでは照明を落とし、UVライトを当ててみます。
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 すると、別の顔が現れました。
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 その姿は、まだ若い惑星が自らのエネルギーを爆発させ、その熱と光は大地を焦がし空を染め、燃え盛る様を彷彿させます。
 
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 『ユーパライト(Yooperlite)』という、 2017年にアメリカミシガン州にあるスペリオル湖で発見された新種の石です。
 
 『蛍光性方ソーダ石含有閃長岩クラスト』という正式名称を与えられた不思議な石。 紫外線を当てることにより本来の姿を取り戻す、地球からの贈り物です。
 
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 卓上の惑星を眺めていて、思い出しました。
 
 元素というものがあります。 高校生のころ覚えた元素周期表が懐かしい方も
多いでしょう。
 
 水素(H) ヘリウム(He) リチウム(Li) ベリリウム(Be) ホウ素(B) 炭素(C)・・・。
 
 私が今でも覚えているのは、マグネシウム(Mg)くらいまででしょうか。
 
 そしてそれぞれ原子番号というものが振られています。 水素(原子番号 1)、ヘリウム(原子番号 2)・・・というように。
 
 原子番号92のウラン(U)までは、たいてい自然界に存在していたものから発見され、原子番号93以降は人工的に作られた元素です。 (といっても、ごく微量に存在するものもあるようですが)
 
 元素に付けられた名前の由来が、なかなか興味深いです。

 例えば、
 
 ウラン(U : Uranium)           (原子番号92) は 天王星(Uranus)  から
 ネプツニウム(Np : Neptunium) (原子番号93) は 海王星(Neptune)  から
 プルトニウム(Pu : Plutonium)  (原子番号94) は 冥王星(Pluto)   から
 
 これらは惑星にちなんで付けられたのですね。 ウランやプルトニウムは核燃料、核兵器などで有名になってしまいましたが・・・。
 
 元素名は他に、人名、地名にちなんだものがたくさんあります。 名前の由来を調べてみると、意外と身近に思えてくることも多いです。
 

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2018年11月29日 (木)

Crystal Healing

 日中はほんわか暖かいのですが、朝晩はやはり冷えます。 寒暖差が激しく、油断すると風邪をひきそうなので気を付けないとね。

 11月のカレンダーが切り取られるのもあとわずか。 1年なんて、ほんと早いものです。
 
 仕事もなんだかバタバタしてしまって、少しずつ疲労が蓄積していく感じ。 次の行動に移る時に、思わず 『よっ』 とか掛け声が出てしまいます。
 
 でも人間、常に動いている(動ける)ことが健康だということかなあなんて思うので、ガンバんないとな。
 
 休みになったらのんびりしようなんて思っても野良仕事もあるし、そういえば数件植木屋さんも頼まれておる。 貧乏暇なしなのである。
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 暗くなると光りだす、水晶ポイント。 キレイだがや・・・。 テレビ台に乗せてあり、光センサーを付けてあるので、テレビを消すと妖しく輝きます。
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 左側の水晶は、以前ブログに載せたことがあるけれど、右側の方は初めてかな?
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 これまた、自作の飾り台です。 LEDはグリーン、ホワイト、レッドの3種類が、底から照らします。 赤が意外と気に入った色にならないので、青いフィルターを間に挟みました。
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 台の裏側は、手作り感いっぱいで、かなりショボイです。 ガーデンライトのパーツを利用して配線しました。
 
 この水晶ポイントは、一見汚い(?)ですが、秘密があります。 
 
 太古の水を閉じ込めた、水入り水晶なのであります。 
 
 向きを変えると気泡が動くので、内部に液体の存在を確認することができます。
 
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 なんやら他の鉱物の粉も含まれていて、これも移動するのがわかります。
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 2cm位は移動するので、結構大きめの亀裂が内部にあるのですね。
 
 そして今回、新たなコレクションが仲間入りしました。
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 小指の先ほどの、ありふれた水晶ポイント。 でも、中をよく見ると・・・。
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 まりものように内部に丸く浮かぶ物体。 『まりも水晶』 です。 つい先日、ある方のブログで、まりも水晶欲しい~、なんてコメントしたあと、ひょんなことから手に入りました。
 
 うーむ、不思議な縁です。
 
 にまにま眺めて、そしてすっきりして、また明日からお仕事がんばりましょう!

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2018年6月28日 (木)

そろばんの星 ☆

 ワールドカップと同じく、私を熱くさせるニュースがありました。

 『はやぶさ2』 による小惑星 『リュウグウ』 への到着です。 現在リュウグウから20kmの地点にいるそうです。
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 小惑星リュウグウは当初予測されていた円形ではなく、コマ型となっていました。 自転が早いと赤道部分が伸びてこういう形になるらしいのですが、リュウグウは自転が遅いため何かの要因があるそうです。
 
 ニュースの中で 『そろばんの玉』 という例えがありました。 ずいぶん日本的だなーと、思わずにやりとしてしてしまいました。
 
 確かにそう見えますね。 それと小惑星の名前のリュウグウ。 これもナイスです。 『はやぶさ太郎』 は、果たして玉手箱を持って帰ることができるのでしょうか。
 
 イギリスBBCのニュースでは、この小惑星の形のことを 『cosmic 'diamond'』 ・・・ダイヤモンドと。 さすが王国、宝石になっちゃうんだな。
 でも、そろばん玉の方が、庶民的でいいですな(^-^;
 
 思わずそろばんを探し出してしまいました。
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 思うんだけど、今ではそろばんを持っている人はいるのかなー。 生活の中で、まず使わないもんな。
 
 でも高度な暗算力が身につくということで、授業に取り入れているところもあると聞いたけど。
 
 私は幼き頃、このそろばんをスケートボードのようにして遊んだ記憶しかないや。 

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 最新の科学で、そろばんをはじく 『はやぶさ2』 を想像してしまいました。 
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 宇宙もまだまだ魅力いっぱいです。

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2018年6月18日 (月)

飛行石は宙に浮けるか?

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 モスグリーンの正八面体の石。 蛍石(フローライト)です。 パワーストーンに興味がある方には、あれかーと分かると思います。
 
 この石は人工的に正八面体に加工したものですが、自然界でもキレイな結晶として産出します。
 
 天○の城ラピュタに登場する飛行石のモデルとなったという説がありますが、信憑性は10パーセントです。
 
 で、この蛍石、紫外線で発光します。 
 
 お肌のトラブル、紫外線。 太陽から降り注ぐ光の中で、可視光線よりも波長の短い光であるとは周知の事と思います。
 
 レジン(UVレジン)で小物作りなどされている方は、もっと詳しいかな?
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                                  (参考:気象庁HP)
 

 100~400nm(ナノメートル)で、さらにUV-A、UV-B、UV-Cと大別されていますが。 地上に届くのはUV-AとUV-Bで、生物にとって危険なUV-Cはオゾンと酸素分子によって吸収されてしまいます。 
 
 地表に注ぐUV-A,UV-Bのお肌への影響は、日焼け止めを販売している化粧品メーカーのHPなどでお勉強しましょう!
 
 そして登場、ブラックライトです。 正確にはUV-LEDライトかな? でも、一般的にブラックライトと言っておきましょう。
 
 ブラックライトはこのUV-Aの範囲を放射しますが、効果がよく確認できるのは波長が375nm付近のものです。
 
 お札には紫外線で発光する特殊なインクが使われているけれど、安価なブラックライトでは光らないことが多いです。
 
 375nmをピークとするブラックライトは、少々高価(廉価物と比較して)ですが、効果大です。
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 『直視厳禁!!』の黄色いテープの張られたのが、375nmのブラックライト、上のは普通のLED懐中電灯。
 
 では実験。
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 お馴染み、お札の表(肖像画のある方)にある丸い印。 オレンジ色に光ります。
 
 前置きが長くなってしまいました。 さて、本題。
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 蛍光灯下の蛍石。 普通に美しいけれど・・・。
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 ブラックライトを当てると、あれ不思議。 青色に輝きます。
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 こちらは蛍石の原石・・・クラスターです。
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 こちらもGood。
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 比較するために、水晶柱を持ち出しました。
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 ブラックライトに紫色の可視光が含まれているため、うっすらと紫色に染まりますが、光るようには見えません。
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 調子に乗って、クラック入りの水晶をば・・・。 この台座は自作品です。
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 木を削って成型。 中をくり抜いてLEDを仕込みました。 ブルー、グリーン、ホワイトのLEDです。
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 ガーデンライトの部品を使って、暗くなると点灯するようになっています。 ソーラー電源も使えるよう、ソケットも付けました。
 
 電源は単3電池2本です。
 
 これは、ブラックライトは関係なく、夜のリビングを彩ってくれています。
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 長くなってしまいました。 飛行石の話がまだ・・・(^_^;
 
 とにかく、私にとってこの正八面体には、宙に浮けるパワーが宿っているような気がします。 (気がするだけです) 
 
 浮いたら、急いでご報告しまーす。
 
 浮いた話ならひとつ。 この前飲みすぎて帰ってきて、あやうくお風呂で浮きかけました。

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