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2023年9月26日 (火)

涼風渡る・・・

 【涼風渡る・・・】

 つい先日までは一面に実った稲穂でまさに黄金の海でしたが、かなり稲刈り・脱穀が進んで寂しくなってきました。

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 少し前の雨の日からすっかり秋の気配となり、この時期らしい涼風が棚田を吹き抜けます。 あの暑かった日々は、徐々に記憶から消えていくんだなあ・・・。

 日中はまだ汗ばむけれど、野良仕事をするのもだいぶ楽に。 それにしても日が短くなりましたね。

 

 【ハナイカダの小径の危機!】

 ラピュ田に向かう山道に、ハナイカダの木が数本並んでいます。 『ハナイカダの小径』などと小洒落て楽しんでいましたが、先日土木事務所の人間がそこの下調べにきていたのです。

 『ここでなんかするんけ?』と、いぶかしんだ私は尋ねました。

 『ここの水路をU字溝にするという依頼があってね』

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 『なぬ?』

 たしかにこの水路は昔のままの溝みたいな川で、石や泥ですぐ埋まってしまいます。 だからといって私がいつもキレイにしているし、特に不便もないはず。 誰がそんなこと申請したんじゃい?

 『ここには珍しい木があるから、切らないで欲しいんだけど』

 『そうっすか・・・。 まあ溝だけだからなるべく崩さないようにするつもりだけどね』

 『頼むよ』

 ・・・ということで、私なりの抵抗をば。

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 他の雑木は刈りとり、ハナイカダだけ残しました。 (本来は逆に目立ってしまうのでイヤなんだが・・・)

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 んで、立札を設置。 小さな株は諦めて、大きな株の4本分を打ち込んだのであります。 うーん、これで切れまいて・・・。 ここまでして残してくれないようだったら怒ってやるぞ!

 しかしこうやって、だんだんと大切な場所がなくなっていくのですね。 寂しいもんだわい・・・。

 

 【農業するべ】

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 やってもーたのです。 乗用草刈り機が中古だからまあ少しならと、アブナイようなところを走ったら、ガガガガガ・・・ゴットン! ああ、やってもーた。

 岩場にハマって、ひっくり返りそうになってしまったのです。 引き出そうとしてもビクともしません。 それもそのはず、重量は250kgもあるので、1馬力もない人間がちょいと引っ張ってもまずムリ。

 救助に誰か呼ぼうか・・・。 いや待てよ・・・。 ヘタに呼べば『あいつ、草刈り機でひっくり返ってよう』なんて、話がでかくなって酒の肴にされてしまいかねないなあ。

 とりあえず鉄筋を持ってきて、てこの原理で少しづつ押していったら何とか脱出に成功いたしました。 よかったわい。

 で、あちこち点検をしていると、10年前の中古品らしく随所のパーツがありません。 フラッパという泥除けみたいなのも、もげかけていたので、それは自作することにしました。

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 厚手のゴムの板を買ってきて、それっぽい形にカット。 抑えの金属パーツは、そこらへんの板を加工しました。

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 塗装もちょいとして取り付け・・・。 うむ、うまくいったわい。

 さて、問題はここ。

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 高速で回転するナイフの付け根の部分。 ナットガードという皿状のパーツがひしゃげています。 岩場にハマった衝撃で潰れてしまったのですな。

 この部分はある程度グラグラして、障害物からの衝撃を和らげてくれるのですが、変形したおかげで固定されてしまっています。 さらに外そうとナットを緩めようとしても、隙間がなくてレンチが入りません。

 仕方なくグラインダーで切り取ってしまいました。 替えのパーツは農機具屋さんにたまたま中古のものがあって、揃えることができました・・・ラッキー!

 しっかし、ボルトを緩めるのに相当の力が必要でした。 まるで巨人がこれでもかというくらいに締め付けてあったので、それだけで汗だくになってしまったぞ。

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 大きな故障はそれくらいでしたのでよかった。 問題なく動くのを確認して車庫に入ります。

 おとなしカラーの草刈り機を見ていて、もうちょっと派手に塗装してみたい衝動に駆られました。 どんな塗装にしようかなあ・・・。

 そだ。 私のブロ友に、熱烈な『エヴァンゲリオン』のファンの方がいます。 リクエストにお応えして、(全然リクエストされてないけど)その初号機のカラーにしてみようかな?

 ということで、ちょっとデザインしてみました。

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 じゃじゃん! これぞエヴァンゲリオン・アグリカルチャーバージョンでございます。 レースクイーンではなく、田んぼクイーンは『畦波レイ(あぜなみれい)』じゃ。 『稲刈シンジ(いねかりしんじ)』も考えましたが、ここはやっぱり『ビキニもんぺ』でしょう。

 うーん、田舎ではちとイタイかなあ・・・。 またあいつは目立つ塗装しやがって! なんて白い目で見られそう。 でも、『農業は、明るく楽しくカッコよく』なんだよね。

 ま、このイラスト通りの塗装になるかは分かりませんが、この線でやっていこうと思います。 まずは、草刈りが全て終わってからですね。

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2023年9月23日 (土)

田んぼに花を咲かせませう・・・?

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 雨が降る降るとお天気ニュースで流れながら、結局少しも降らなかった日が続いていましたが、ここにきて天気予報が当たるようになりました。 乾ききった畑にようやく水分が戻ってきたようです。

 でも、やはり農作業は晴れてくれないとできませんので、雨はほどほどにね。

 

 【田んぼに花を咲かせませう】

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 田んぼ作業は次のステップへ。

 『カッター』という、藁を裁断する機械の登場です。 稲藁は野菜用などの必要な分は確保しておき、残りの分は細断して撒いて、来年の田んぼの肥料とします。

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 稲藁を投入口に入れると、あっという間に細断して吐き出してくれます。 乾いてないと広くばら撒けないので、雨で湿る前に行いました。

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 こうやって稲藁で埋め尽くされると、土色だった田んぼがパーっと明るくなり、遠目に花が咲いているようにも見えます。 畦のヒガンバナが色を添えますね・・・。

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 使用予定の稲藁は、こうして保管しておきます。 他に果樹農家の方が稲藁を欲しいというので、軽トラ4台分は運んだかな?

 

 【畦の草刈り】

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 今年1年頑張ってくれた田んぼ・・・。 ありがとね・・・と、畦の雑草をキレイにしていきます。 (写真右側は、ワラビ畑です)

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 わ、ワラビ畑に『セイタカアワダチソウ』が林立しておる。 いかんなあ・・・。

 セイタカアワダチソウは繁殖力が旺盛で、放っておくとあっという間に在来種などは凌駕されてしまいます。

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 ということでなるべく駆除してますが、さすがに全て取ることができません。

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 根っこが縦横無尽に走り、その根からもガンガン育つので始末に悪い雑草のひとつなんですな。

 

 【秋のしるし】

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 おや? 『クコの実』がいつの間にか熟しておる。

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 花と実が両立するのも、このクコの特徴でもあるのですね。

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 アケボノソウも咲いています。 うちの畑では、毎年花開くポピュラーな存在となりました。

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 アケビも採ってきました。 開いたものは生食し、開く寸前のものは『アケビ酒』の材料になります。 やっぱ、秋だねえ・・・。

 

 【暑さと疲労でへとへとじゃい】

 まだまだ日中は気温が高く、ちょっと動くだけでも汗だくになってしまいます。 ま、炎天下の作業ばかりしていたので、そういう汗がすぐに出る体質になっているのかもしれません。

 あー、今日も朝から草刈りでクタクタだい。 早く寝るべか・・・。

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 おいおい、おとーちゃんをゆっくり寝かせてくださいな・・・。

 

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2023年9月17日 (日)

白い宝石・・・キラ~ン☆

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 先日、『稲こき(脱穀)』で収穫したお米。 水分量を計ると14.5%とまずますでしたので、さっそく農協の精米所へ。 (水分量が15%以上だと精米機の機械の中で粘ってしまい、機械をエラー停止させてしまいます。 13.5%~15%未満が許容範囲ではないかと私は認識しております)

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 気温が高い年は、『おれ』が多いという事があります。 『おれ』とは多分ここらの方言で、お米にヒビの入った『割れ米』のこと。 生育期の高温、乾燥のしすぎなどが原因のようですが、品質としてはランクが下がります。

 その『おれ』は少々あるものの、なかなか良さげのようですな。

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 まずは、屋敷神さんに奉納。 今年も無事収穫できましたヨ、ありがとねー。 お裾分けだよーん。

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 ちなみに屋敷神さんの手前の植物は、アケボノソウです。 足元にはシュウメイギクも花開いていました。

 

 そして夜は新米ご飯。 あ! 美味しい・・・。 私は普段は自作のお米しか食べていないので、ご飯の美味い不味いはよくわからないのですが、それでもこの違いはわかります。 さすが新米だなあ。

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 2kg、3kg、5kg、10kgの米袋に、それぞれ新米を詰めていきます。 親戚や知人に配る分ですが、普段の付き合いの深さで量が変わるのですな。

 お代はもちろんいただきませんが、お返しにいつもスモモ、モモ、ナシ、シャインマスカットやらをくれる家には、『大きなつづら』・・・ではなく大きな袋になるのは当然ですね。 

 

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 田んぼは『稲こき』が済んで終わりではありません。 まずは『うし』の片付けをして、周囲の雑草をキレイにしないとね。

 田んぼには稲ワラの山がいくつもできています。 稲ワラにもちゃんと用途があります。

  ①野菜作りの保湿・保温として使う

  ②来年の稲刈りの時に縛る縄として使う

  ③細断して田んぼに散布し、稲作の肥料とする

 など、無駄になるところがありません。 果樹農家からも稲ワラが欲しいと言われているので、軽トラで3台分はあげています。

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 あれ、どいてくださらんか、カエル君。

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 田んぼの水がなくなったので、憩いの場所がなくなってしまったね。 すまんのう・・・。

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 ミズアオイの仲間で雑草でもあるコナギも、乾いた田んぼの隅で最後の力を振り絞って花開こうとしておる。 すまんのう・・・。

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 しかし、天気予報では午後から雨が降る降る言ってるけれど、ここは一向に降りません。 ああ、あっつい・・・。

 

 まだ、『稲こき』が済んでいない田んぼが2枚あります。 ふう、まだまだ頑張らなくては・・・。

 

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2023年9月13日 (水)

炎天下の農作業は続く・・・

 朝晩はすっかり冷え込むようになり、うっかり窓など開けておけば寒くて目が覚めてしまいます。

 しかし日中になると・・・。 まだまだ涼しい秋にはさせぬという強い意思を持った太陽が、これでもか照り付けます。 うーん、あっちい! 水筒に詰めたお茶がみるみる減っていくほど水分補給してるのに、すぐに喉が渇きます。

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 田んぼ作業はいよいよ脱穀へ・・・。 ここらでは脱穀作業を『稲こき』といいますが、方言なのでしょうかね? 単純に『こく』ともいって、この時期の会話などでは『へえ、こいたけ?』とか言いますな。 あ、お下品な『へえ』ではなくて、『もう、脱穀したの?』という意味ですぞ、念のため。

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 早朝に、雨よけに掛けておいたブルーシートを外します。 これは農作業用の1.5m×10mの細長いブルーシートで、こんなものも販売されているのですね。

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 小さな戦車、ハーベスタの登場。

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 『うし』から稲束を外し、脱穀機に通していきます。

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 そして籾となった米は、袋にどんどんと溜まっていくのですな。

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 なんか近年、だんだんと重いモノを持ち上げるのがツラくなりクローラーで運ぶようになりました。 一袋30kg程度でしょうが、私には結構な重さとなっています。 この暑さが堪えるのもあるだろうけれど、よる年波には勝てないなあ、やっぱ・・・(+_+)

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 と、弱音を吐いていても何も進まないので、気合いを入れて次の田んぼに移動します。 ああ、しかしあっちい! み・・・水~! ぐびがび、ぐひぐへ、ごっくりどっくん、げほげは・・・。 ふう・・・。

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 脱穀の終えた田んぼは、夕刻という事もあってなんとなく寂しさが漂いますね。 今年1年、お疲れ様でした・・・。

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 棚田の方も、稲刈りを終えたところや脱穀の済んだところが増えてきました。 黄金色が消え去るのももう少しですね。

 

 あー、くたびれた。 お風呂に入ってご飯を食べても、なんか喉の渇きが癒えません。 ペットボトルのお茶を枕元に置いて、早めに寝ることにします・・・。

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 おいおい。 そこはおとーちゃんの布団だぞ。 あっちいから、添い寝はいらんというのに・・・。

 

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2023年9月 4日 (月)

苦行の稲刈り・・・

 気持ちの良い秋風が、火照った体を癒してくれるかと思いましたがトンデモナイ・・・。 照り付ける日差しは真夏より強烈に感じられ、流れる汗はとどまることを知りません。

 ま、それは日中の話で、夜になれば虫の音の向こうから涼しい風が吹きつけるのですがね。

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 棚田の方も黄金色に染まり、ぽつぽつ稲刈りの機械の音が響くようになりました。 写真右側の2枚の緑の田んぼは、稲ではなく草です。 オーナーが高齢化(90歳代)となり、『やっちゃあいられん』と稲作を諦めてしまったところです。

 村のボランティア仲間が『そう言わんで、手伝うからさ~』となだめても、年取って余計ガンコになっていることもあり『余計なお世話』だそうです・・・。 こうして一枚・・・また一枚と未耕作地が増えていくのですね。

 行政の方でもこの景観をただ宣伝するばかりでなく、ここで耕作している人のサポート体制を考えた方がいいんだけどなあ。 どこも高齢化と後継者無しで、この棚田が消滅する未来はすぐそこだと思います。

 写真左側の下から6枚は私が頼まれて田植えをしていますが、私がくたばる未来もそう遠くありません。

 

 【苦行の稲刈り】

 さて、今週から天気予報には傘マークが並んでいます。 雨が激しく降れば、頭を垂れている稲はあっという間に倒伏してしまいます。 うーん、うちの田んぼの稲も徐々に倒伏してきているので、できれば稲刈りをやってしまいたい。

 しかしこのクソ暑い中で、稲刈りはツラいものがあるぞ・・・。

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 けれど、倒伏部分がじんわり広がってきているのを見て、思い切って稲刈りを始めました。 まずは、『ラピュ田』から・・・。

 『ラピュ田』というのは、棚田よりもっと上の方にある隠れ里ならぬ隠れ田んぼ。 関係者以外はまず人も来ない隠れ棚田なのです。 伝説では、税(年貢米)逃れのために密かに開墾し、コソコソと隠れて米を作ったという秘密の田んぼということです。

 てなことで、『ラピュ田』は私が勝手にネーミング。 ここに来れば、夜の星にも手が届くという天空の田んぼなのですな。

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 けれどちょっと後悔。 炎天下の稲刈りはやはり体に悪いぞ! あっちい! 汗が止まらん!

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 休み休みやって時間がかかりましたが、ようやく刈り終わりました。 うわう、水! 水~! ぐびら、ぐぶら、ごくごく・・・げっほん!

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 しこたま水を飲んで落ち着いたら、畦にツリフネソウが咲いているのに気が付きました。 ほほう、暑くてもやっぱり秋だねえ。

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 稲を干す台を組み立てます。 ここではこれを『うし』と呼んでいます。 地域によっては『うま』というところもあるので、不思議なものですね。

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 これに刈った稲をかけて、天日干しをするのですな。 雨で根元が濡れないよう、細長いブルーシートやビニールを被せるのですが、まずはこれでOKということで、次の田んぼに移動します。

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 富士の見える田んぼが終わるころには、夕刻となっていました。 いやあ、頑張ったなあ。 座ると疲れがどっと出て、しばらく動けなくなりました。

 体が異様に熱くて、いくら水分をとっても喉の渇きが癒えない・・・。 ほひ~! もしかして軽い熱中症かも? 体力落ちたのもあるかな・・・。

 まだ田んぼは2枚残っているけれど、こりゃちょっと1日は休みを入れないとムリそうです。 まさに苦行の稲刈りでございました。

 

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