フクジュソウの数学&化学
日中に吹く春の香りを含んだ風は、まだひんやりと冷たいけれど、しっかり花粉を運んでくるようです。 ウヘックション! うーむ、早くもアレルギーが始ってしまったなあ。
花粉アレルギーのお陰で春が微妙な季節となってしまったのは、いつからでしょうか?
日の出の位置が真冬と違い、富士山からかなり離れています。 季節は確実に進んでいるのですね。
【フクジュソウの考察①】
気が付くと咲いていたという感のある足元の花、フクジュソウです。 暖かい日差しが、ポチンと開花のスイッチを押したのですな。
鮮やかなイエローが、色彩の少なかった地面を一気に賑やかにします。 まさに春だねえ・・・。
フクジュソウは蜜をもたないため、太陽の光を集めて中心の温度を上げ、その暖かいベッドへ虫たちを誘い込むことで受粉を成しているというのはよく知られています。
そのため、花がパラボラアンテナのような構造になっているとのこと。 ほんとうにそうかいな・・・ということで、さっそく花を観察してみましょう。
まずは形から・・・。 パラボラの形は放物線で表わせます。 というか、放物線の基本的性質がパラボラアンテナの基礎を作りだしておるのですな。
とにかく、高校生に戻っておさらいをしてみましょう。
放物線は『y^2=4px』(標準系)という方程式があり、二次関数のグラフ(y=ax^2+bx+c)で表わすことができます。 下図に示すように、定直線(準線という)からの距離と, 定点F(焦点という)からの距離が等しい点の集合体が放物線なのですね。
なぜ、y^2=4pxになるのか、この図の定義を用いて計算してみましょう。 と思いましたが、√(ルート)だの、べき乗だのがテキストでうまく表せないため、手書きとなりまする。
ということで、この計算が成り立ちます。
この放物線に着目。 太陽からの光が全て平行に当たるとすると、反射した太陽光線は焦点Fに集約するはずです。
次にフクジュソウを横から撮影して、放物線を重ねてみましょう。
さてさて結果は・・・。
みごと重なり・・・ますかね?(*^-^*) パラボラアンテナのごとく集まった光(赤外線)は、ちゃんと花の中心を温めそうです。
サーモグラフィで見てみると、確かに花の中心の温度は花びらの部分より高くなっています。
太陽の光が強くなり気温がますます上がってくると、20℃を超えました。
ふむふむ、やはりこれは虫の暖かいベッドですね。
【フクジュソウの考察②】
まだ寒さの残る朝。 フクジュソウはまだ閉じております。
フクジュソウは開閉する花でもあり、その運動は温度検知によるものとのことです。
実験のため、ヒートガンを花に当て温度を上げてみましょう。
数分もしないうちに開いてきました。 おお、なんだかすっごいな。
後方の花は、ヒートガンを当てていないため、まだ閉じていますね。
フクジュソウが開閉するのは、虫の活動できない低温のうちは雌しべや雄しべを寒さから保護するために閉じているということ。 しかし、正確な温度センサーを持っているなんて、自然界はほんとにスゴイですね。
・・・と数学と化学の観点から、一歩踏み込んだフクジュソウの観察でございました。
【おまけ】
お天気センサーの富士山は再び真っ白。 この雪が溶けていき、やがて『農鳥』が現れると、いよいよ農業の始まりとなります。

















































