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2023年2月26日 (日)

フクジュソウの数学&化学

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 日中に吹く春の香りを含んだ風は、まだひんやりと冷たいけれど、しっかり花粉を運んでくるようです。 ウヘックション! うーむ、早くもアレルギーが始ってしまったなあ。

 花粉アレルギーのお陰で春が微妙な季節となってしまったのは、いつからでしょうか?

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 日の出の位置が真冬と違い、富士山からかなり離れています。 季節は確実に進んでいるのですね。

 

 【フクジュソウの考察①】

 気が付くと咲いていたという感のある足元の花、フクジュソウです。 暖かい日差しが、ポチンと開花のスイッチを押したのですな。

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 鮮やかなイエローが、色彩の少なかった地面を一気に賑やかにします。 まさに春だねえ・・・。

 フクジュソウは蜜をもたないため、太陽の光を集めて中心の温度を上げ、その暖かいベッドへ虫たちを誘い込むことで受粉を成しているというのはよく知られています。

 そのため、花がパラボラアンテナのような構造になっているとのこと。 ほんとうにそうかいな・・・ということで、さっそく花を観察してみましょう。

 

 まずは形から・・・。 パラボラの形は放物線で表わせます。 というか、放物線の基本的性質がパラボラアンテナの基礎を作りだしておるのですな。

 とにかく、高校生に戻っておさらいをしてみましょう。

 放物線は『y^2=4px』(標準系)という方程式があり、二次関数のグラフ(y=ax^2+bx+c)で表わすことができます。 下図に示すように、定直線(準線という)からの距離と, 定点F(焦点という)からの距離が等しい点の集合体が放物線なのですね。

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 なぜ、y^2=4pxになるのか、この図の定義を用いて計算してみましょう。 と思いましたが、√(ルート)だの、べき乗だのがテキストでうまく表せないため、手書きとなりまする。

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 ということで、この計算が成り立ちます。

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 この放物線に着目。 太陽からの光が全て平行に当たるとすると、反射した太陽光線は焦点Fに集約するはずです。

 次にフクジュソウを横から撮影して、放物線を重ねてみましょう。

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 さてさて結果は・・・。

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 みごと重なり・・・ますかね?(*^-^*) パラボラアンテナのごとく集まった光(赤外線)は、ちゃんと花の中心を温めそうです。

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 サーモグラフィで見てみると、確かに花の中心の温度は花びらの部分より高くなっています。

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 太陽の光が強くなり気温がますます上がってくると、20℃を超えました。

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 ふむふむ、やはりこれは虫の暖かいベッドですね。

 

 【フクジュソウの考察②】

 まだ寒さの残る朝。 フクジュソウはまだ閉じております。

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 フクジュソウは開閉する花でもあり、その運動は温度検知によるものとのことです。

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 実験のため、ヒートガンを花に当て温度を上げてみましょう。

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 数分もしないうちに開いてきました。 おお、なんだかすっごいな。

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 後方の花は、ヒートガンを当てていないため、まだ閉じていますね。

 フクジュソウが開閉するのは、虫の活動できない低温のうちは雌しべや雄しべを寒さから保護するために閉じているということ。 しかし、正確な温度センサーを持っているなんて、自然界はほんとにスゴイですね。

 

 ・・・と数学と化学の観点から、一歩踏み込んだフクジュソウの観察でございました。

 

 【おまけ】

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 お天気センサーの富士山は再び真っ白。 この雪が溶けていき、やがて『農鳥』が現れると、いよいよ農業の始まりとなります。

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2023年2月19日 (日)

2月 お散歩ダイジェスト

 雪が降ったり、真冬に逆戻りの気温となったり、かといって日中は汗ばむほどの暖かさとなったりと、変化の大きい2月です。

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 それでも着々と季節が進んでいるのを実感できるのは、早朝のわんちゃんとの散歩での周囲の明るさ。 出発時は暗くても、散歩が終わるころにはすっかり明るくなっています。

 明るく澄んだ空気の中を歩くというのは、とっても清々しい気持ちになりますな。

 散歩の時はコンデジをポケットに忍ばせておくのですが、暗い時分にはブレやピントが合わないことが多く、だんだんとしっかり撮れるようになってくるのも明るさのお陰ですね。

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 積もった雪も、今はところどころ残っているだけ。

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 今年はカマクラが作れなかったのが悔やまれます(;^_^A

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 きりっと晴れた朝よりも、雲がかかっている方が景色に変化があって面白いものです。

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 空が白んでくる時間の散歩ができるのは、あとどのくらいだろう・・・。 そのうち起床する頃にはすっかり明るくなっていたなんて時季になりますからねえ。

 

 【ザゼンソウの動画をアップしました】

 前回の記事から、動画を急いで仕上げました。 一気にやったので、寝不足だ~。 よろしかったらご覧くださいませ。

 

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2023年2月16日 (木)

ぽかぽかのお坊さん

 まだまだ冷気の漂う、林の中の湿地帯。

 あちこちで、ぽこぽこと顔を出している植物がありました。

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 お坊さんが座禅を組む姿に例えられたザゼンソウです。 ミズバショウと似たような、サトイモ科の植物。

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 同じような環境の中では、春一番に花開く植物と言っても過言ではないでしょう。 まだ雪の残る時期(残念ながらここでは積もっていませんが)でも咲けるのには、ザゼンソウが恐るべき能力を持っているからなのです。

 その謎の一端を解き明かす秘密兵器があります。 その名もサーモグラフィカメラ。 赤外線をキャッチして、温度分布を色で表わしてくれるアイテムです。

 温度が高い部分は赤系統、低い部分は青系統になります(設定により白黒などバリエーションあり) テストで写っている缶は、ノンアルのオール〇リーです。 ビールではありませぬが、よっく冷えてますね(;^_^A

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 可視光ではなく、赤外線で見る世界も興味深いものですよ。 例えば・・・。

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 樹木の林立する林の中とか。 っていうか、ここ-8.1℃なの? どうりで寒いわけだあ。 もう、指先の感覚がありません。

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 ちょこっと日が差してきた林床とか。

 

 さて、これをザゼンソウに向けると・・・。

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 花の温度が上がっています。 実はこのザゼンソウは、発熱する能力があるのです。 発熱によって周囲の雪をも溶かし、いち早く地表に顔を出すことができるのですな。

 花は肉穂花序(にくすいかじょ)で、小さな花の集合体。 まず雌花が成熟し、後に雄花。 温度が上がるのは雌花の咲く期間のようです。

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 こちらは11.7℃を計測しています。 一番高くなるのは20℃前後で、それを一定期間維持するとのこと。 さらにスゴイのは、外界の気温に関わらずこの20℃をキープするサーモスタットのようなシステムもあるそうです。

 まさに驚異の植物、すんばらしい!

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 色は濃いえんじ色の他、緑色や曙色?もあります。

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 不思議な花が終わると、次は葉がぐんぐんと展開してきますので、その後の様子も観察してみようかな。

 

 また動画も作成中です。 とはいえ、ここに載せた内容以上のものはないとは思いますが、完成したらぜひ見てくださいね。

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2023年2月10日 (金)

必要なんだけど・・・

 雪の予報は、見事当たりました・・・。

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 ほころび始めた梅の花も、冷たいダウンに覆われて寒そう。 ま、最近乾燥していたのでほどよい水分補給になったでしょうか。

 ここは稲作地帯なので、水田を満たす水は必要不可欠。 山に降り積もる雪は、その水を貯える役目となるのですが、多すぎてもいかんですね。

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 愛車の軽トラが埋まっています。 うーん、本日は久々の休みだったのに、雪かきに追われることに・・・。 ゆっくりしようと思っていたのに残念じゃあ。

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 久々、除雪車の出番。 雪に備え、メンテナンスしておいてよかったわい。 実はオーガの高さを維持するガスダンパーが不良で、ようやく前日に交換しておいたのです。

 大きな故障はそれくらいで、他はオイル交換と可動部の潤滑剤の塗布くらいかな。

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 しかし、雪が多すぎ。 このクラスの除雪機では、30cmも積もられるとさすがに上り坂ではスリップしてしまいます。 あと、ベタ雪だと内部にくっ付いて、勢いよく吹き出すことができません。

 何やかや言いながら、ほぼ1日中動かしてしまいました・・・ふう。

 

 わんちゃんの散歩も忘れません。

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 でた! 犬っぱしり・・・。 うちのわんちゃんの、嬉しさいっぱいの行動なんですな。 とはいうものの、雪に阻まれてスピードが出ません。 ウサギのようにぴょんぴょん跳ねて進みます。

 おーい、埋まっちゃうよ!

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 新雪を進むので、ついていくこちらも大変。 思うように歩けず息が切れます。

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 雪が強まってきました。 そんな中でもダッシュ、ダッシュ。

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 楽しい時間はすぐ経っちゃうね。 さてさて、雪かきの続きもあるからここらへんで・・・。

 

 明日はカマクラでも作るかなと思ったら、夕刻よりみぞれになってきてしまいました。 ああ、こりゃダメかもなあ。 雪はわんちゃんばかりでなく、私もハイにしてくれる存在なのですな。

 

 【動画追加です】

 Youtubeのショート動画ですが、よろしかったらみてね!

 

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2023年2月 1日 (水)

冬空のエメラルド

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 厳冬という言葉が相応しい、身も凍るような寒さが続きます。 日差しがあれば日中は暖かいのですが、朝晩の冷え込みはたまりませぬ。 夕刻になると雪がちらちらと舞うなんてことも多いかな。

 

 【凍る夜空のZTF彗星】

 観察を続けている『ZTF彗星』ですが、とにかく寒くて心が折れそう。 モチベーションアップに、もっと明るく、もっと激しくイェイイェイ・・・と願いたいのですが、残念ながらダイナミックに尾を引く姿は難しそう。

 でも、緑がかった青色は、まさに冬空に浮かぶエメラルドです。

 撮影した映像で動画を作成しましたので、よろしかったらご覧ください。

 

 

 【わんちゃんとの散歩シーン集】

 今回は動画の宣伝になりましたけど、それだけではつまらないので、わんちゃんとの散歩シーンを・・・。

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 雪の朝。 朝6時ころですかねえ・・・。 まるで冷凍庫にいるよう。

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 お日様が顔を出し始めました。 景色がオレンジ色に染まるのも、いとおかしですな。

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 わんちゃんと日の出を眺めるのは、いつまでかな? そのうち散歩の時間には、すっかり日が昇っているようになります。

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 何かの野生動物の気配。 タヌキの目撃情報もあるからもしかして・・・。

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 日陰はまだ雪が残っています。 やはりこの気温では、なかなか融けません。

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 雪の上に座り込むわんちゃん。 冷たくないのかな? 鼻先に雪が乗ってるし。

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 おもちゃを嚙んでいてなかなかどいてくれません。

 

 ・・・と、先日誕生日を迎えたわんちゃん日記でございました。

 

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