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2021年11月29日 (月)

秋寂の・・・

 【秋寂ぶ(あきさぶ)の・・・】

 お山の方はあんなに賑やかだった紅葉もすっかり終わり、今は身を切る寒風にはらはらと葉を落としています。 『秋寂ぶ』は、物寂しい秋の風情を表す季語ですが、まさにそんな情景ですな。

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 この日だけは人員配置ができないのでお願い・・・ということで、キャンプ場のお手伝いに行ってきました。 山はまた一味違う寒さで、キャンプする人なぞいるんかいな・・・と思ったら甘かった。 結構なキャンパーの数(;'∀')

 寒い中でキャンプするのがホンモノだそうな。 私はまあ日常が山に住んでいるようなものだから、わざわざ山の中でキャンプしたいとは1ミリも思わないけれど、お街の方々には魅力いっぱいなのでしょうか。

 ま、とにかく炊事場、サイト等のチェックと清掃を済ませ、キャンパーが到着するまでは周囲のゴミ拾い。

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 落ち葉はいろんなモノに見えてきます。 穴が並んでいると、どうしても目に見えるなあ・・・。 これなんか、何となく『カワイイ死神くん』?みたいに思ったのだけど、いかがでしょう?

 

 【ころころ枯露柿】

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 干し柿作りのお手伝いがまだ続いています。 ここの農家の柿は、去年の1.5倍ほど実ったそうで、てんやわんや。 本当に大変な作業ですね。

 他にサクランボや桃も作っていますが、こちらは『収穫 ➡ 即出荷』となるので、まだ休憩の時間がとれるそうです。 それに比べ干し柿は加工工程が多く、休んでいる時間がないということ。

 『猫の手より劣るけど、たろの手でもいいから借りたい』というところでしょうが、私もあちこちから様々なお手伝いの声がかかって困るんよ・・・。

 それに、干し柿では摘まみ食いもできんし。

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 さて、今回は『枯露柿(ころ柿)』の収穫?(^^ゞ 程よい頃合いに、干し台から切り落としてコンテナに並べていきます。 これも途方もなく地味で、根気のいる作業です。

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 しかし、このグラデーションは何度見ても美しい。 まさに食べる宝石でありますな。

 私のお手伝いできる作業は、

 ①木から柿の実を収穫する(あんぽ柿・ころ柿)

 ②皮むき機で皮を剥く(あんぽ柿・ころ柿)

 ③たわしでコシコシする(ころ柿)

 ④ハサミで軸をチョキチョキしてコンテナに詰める(ころ柿)

 でしょうか。

 出荷に関しては農家のこだわり(品質管理・ランクづけ)があるので、私はノータッチ。 干し柿作りの全般的な作業は12月いっぱいまで続くけど、私のお手伝いできることは早めになくなるので、もう少しでお終いです。

 

 【植木屋たろ】

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 そのうち、植木屋さんからもHELPが・・・。

 『でかい松があるんよ』

 『ほーけ?』

 『できるやつがいんから、松だけでも頼むよ。 6人だけんど、1日だけでいいからさ・・・』

 『う、うーん。 ・・・あい、分かり申した(;'∀')』

 『12いるよ。 足場も』

 『え!』

 会話の中の『6人』とは・・・。 植木屋さんは、ある庭に対しての作業人数を述べ人数で言います。 例えば『ここは3人だあ』と言えば、3人いれば1日で終わるということ。 裏を返せば、1人しかいなければ3日かかるということになります。

 そして『12』とは、12尺の脚立が必要とのこと。 基本12尺は、結構高い木があるということを指します。 また、軽トラに載せられるギリギリの長さの脚立でもあります。

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 (12はでかいし重いしやだなあ・・・) 根性無しの私は、この12はあまり好きじゃないんです。

 最後に『足場』とは。 大きな松などは、どう脚立を立てても天端(テンパ=てっぺん)に寄れない場合があります。 そんな時は、脚立から枝、場合によっては脚立から脚立へと板を渡して足場とします。

 危険度が大きくなるんですな。 あー、やだやだ。

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 お、でも高いテンパは、Mさんが上ってくれました。 頼んだよ~、落ちないで~。 では私は、もう一本の低い方の松をば・・・。 って、こっちは真下が池じゃん! 寒中水泳はごめんだぜー(-_-;)

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 あり? この木は『ユズリハ』じゃないか。 へー。

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 ユズリハは、新しい葉が伸びると古い葉が垂れ下がり、世代を譲るように見える事から子孫繁栄の象徴として庭木とされてきました。 でも意外と植えてある家が少なく、私には珍しい気がします。

 葉柄が赤いのがポイントの一つです。

 

 しかし、私はこのところ土日関係なくぶっ続けで働いているなあ・・・。 さすがにくたびれてきました。 だんだんと、頼まれたら断れない性格を改善しなくてはならないかな・・・。

 

 【越後屋たろの自慢話】

 あたしは『越後屋たろ』

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 越後屋である以上、自慢話はつきん^^ 有り余る小判に、次々と浮かぶ悪知恵、小細工、悪だくみ・・・。 あたしのバックにゃ、お代官。 鬼も杓子も金次第、子分にゃ岡っ引の親分さんにガラの悪い浪人風情。

 ふふふ、無敵なのじゃ。 水戸のご老公など一ひねり・・・。

 でも分身である『たろ』には、力も自慢することもほとんどない。 しかし、最近こんなことがあったので、聞いてやってくれい・・・。

 ☆☆☆

 11月後半、県主催のフェスティバルが行われました。 今回、『和太鼓×写真』のコラボレーション企画があり、県内の風景をスライドで投影し、それをバックに和太鼓を演奏するというもの。

 この和太鼓のグループと繋がりがあったので、協力ということで写真を応募することとなりました。

 とはいえ、どんな写真がいいんだろ? 県内で撮影したものならなんでもということなので、過去写真を引っ張り出して一人当たりの限度の3点を送ることに。

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 それからその件はしばらく忘れていましたがある日、県から通知が・・・。

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 ありゃ、選ばれていました^^;

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 ということで、演奏のバック写真の一枚としてその場を飾ることができたのでありました。 私は仕事で見られませんでしたが、動画を見せてもらい、抜き出した一場面です。

 この度、自分にとって写真を撮る意欲を改めて高めてくれた出来事です。

 ☆☆☆

 ・・・という次第じゃ。 やつは他に自慢することもないので多めにみてやってくれい。

 

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2021年11月24日 (水)

森の忍者 Part.Ⅲ

 日中は、まさに小春日和。 ほかほかの日差しが厚手の上着の背中を温めますが、日が落ちると途端にさみー! どうも寒いのは苦手でござりまする。

 まあ寒い寒いといいながらも、時間があればムササビ観察に行ってましたが、動画が溜まってきたので整理を兼ねて編集しました。

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 ムササビは、しばらく巣の近くにいてくれる時もあるけれど、だいたいすぐに飛び去ってしまう方が多く、なかなかじっくりと撮影させてくれません。

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 夜の撮影で難しいものの一つは、やはりライティングですね。 懐中電灯の灯ではちらちらしてしまって(持っている手が揺れるので)、落ち着きのある画になりません。

 煌々とサーチライトでも当てられればバッチリですが、それは野生動物観察のマナー違反ですな^^;

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 まあ、何とか工夫しながらやっていけば、そのうちベストショットが撮れる・・・ことを願いたいです。

 

 さて、編集したものは『森の忍者 ムササビ Part.Ⅲ』として、YouTubeにアップしましたので、どうぞご覧くださいませ。

 

 

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2021年11月21日 (日)

ほぼ雲の中月食 -映像偏-

 11月19日の部分月食(ほぼ皆既月食)は、地域によってくっきりと晴れたり、または曇ってしまって見られなかったりとあったようで。 我が家の方は曇りがちでしたが、なんとか見ることができました。

 空模様に左右される天体ショーなので仕方のないこととはいえ、やはりきっちり楽しみたいものです。

 さて、これから期待できる天体ショーは・・・。

 ①12月14日前後 『ふたご座流星群』 14日がピークですが、前後でも流れるはずです。

 ②12月に入って 『レナード彗星(C/2021 A1)』 2021年1月に発見された彗星。 ただいま光度をぐんぐんあげ、予想では12月に4等星まで明るくなりそうとのこと。 肉眼でぎりぎり見えるのが6等星なので、このままいけば期待度大です。

 でも、いつぞやのアトラス彗星のように、満月くらいまで明るくなると期待されましたが、核が分裂してあれあれあれなんてこともあるので、こればかりはわかりません。

 宇宙は謎に満ちているのです。

 

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 話戻って月食のこと。 なんとか撮れたものを映像にしあげてYouTubeにアップしました。 1分半弱の短い動画です。 よろしかったらご覧ください。

 

 

 話題がレアなうちにと、編集いたしました。

 

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2021年11月19日 (金)

ほぼ雲の中月食

 【ほぼ雲の中月食】

 天体ショー大好き人間の私は、今夜の『ほぼ皆既月食』を見逃すはずがありません。 明るいうちからそわそわしていましたが、夕刻に近づくにつれ空に雲が目立つようになりました。

 うーん、なんとなくイヤな予感。 ニュース番組で『今夜はほぼ皆既月食です!』などと何回も流しているのもよくない。 こうやって騒ぎを大きくすればするほど期待外れになる、という過去の天体ショーも多くありましたので・・・。

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 富士山とコラボしたかったのですが、いかんせん距離が離れすぎ。 超広角レンズを使えば撮れないことはないけれど、それでは肝心の月食がゴマ粒ほどに写ってしまいます。

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 しかし夕刻の空がキレイだなあ。 この季節ならではの、柔らかいグラデーションが何とも言えません。

 あり? 月はどこから昇るんだっけな? 月の出る方向がよく分からん。 うーん、事前にリサーチしておけばよかったわい。

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 くはっ! そこからなんだ。 やられた!

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 やがて、雲の中へ・・・。 何なん? いやーん。 ほらみろ、大々的にコマーシャルするからこうなるんよ( ゚Д゚)/”!ヤツアタリ

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 私が月食が楽しみなのは、月食自体はもちろん普段は難しい写真が撮れるためというのもあります。 今夜は近くに昴(すばる)が輝いていますが、いつもは月が明るすぎるため同時に写すのは困難です。

 それが、月の照度が落ちるために月と星を同時に写すことができるのですな。 でもチャンスなのに薄い雲が消えることはなく、結果昴もよく見えません。 なんとか写っているかなレべルとなりました。

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 ようやく薄い雲のヴェールを抜けるころには、月食は終わりつつあるのでした。 ううむ、不完全燃焼じゃあ~。

 

 【柿干せば・・・】

 『柿干せば 腹が鳴るなり 今何時』 ということで、今回も《才能ナシ!》の俳句を詠んでしまいますた。

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 前回の記事で載せた、たわしコシコシ作業の経過観察の追加写真。 ここまでくれば、明確な差が分かると思います。 もちろん左の白っぽくなっている方が、たわしコシコシです。

 もっと時間が経てば、全体的に真っ白になってくるでしょう。 さすれば、高級(そう)な、ころ柿の出来上がりです。

 

 ここで、干し柿作りに関する、ちょびっとニュースをば・・・。

 山梨県には、YBS(山梨放送)という放送局があります。 ラジオ番組もあって、その中でスコーパー情報という各地の話題を紹介するコーナーがあります。

 スコーパーキャスターという方が、現地に駆けつけ様々なニュースを取り上げていく生放送番組です。 

 今回、『あんぽ柿作り最盛期』といことで、私がお手伝いをしている農家に、その作業の様子を取材&放送にくることになりました。 おお、なんかスゴい! ( ´∀` )

 ここの農家はいつもYBSラジオを聴いているので、来られたキャスターは有名な三木さんと聞いて『おお!^o^』 あらら、若くて可愛らしい人ですね。 いつも声しか聴いてなかった(ラジオなので)もので・・・。

 たろ『私は何か喋らなくていいの?』

 三木さん『話は、責任者の息子さんがします。 たろさんは音担当です。 皮むき機の作動音をとりたいので、合図をしたらお願いします』

 たろ『は~い。 まかしといてください』

 三木さん『(・・・3.・・・2.・・・1 ハイ!)』

 ぶい~ん。 ぶい~ん。

 三木さん『聞こえますか? この機械の作動音。 今、柿の皮があっというまにむかれていきます。 柿農家は今、最盛期。 私はあんぽ柿作りの作業場に来ています・・・・・・』

 三木さん『では、あんぽ柿を作っている〇〇農家の〇〇さんに、いろいろと話を聞いてみましょう。 こんにちは!』

 〇〇君『こ・・・、こん・・・ むにゃむにゃ・・・』

 たろ『(〇〇君! 頑張って~!)』

 

 ・・・ふう、なんとか放送を終えることができました。 〇〇君も生放送なので緊張したと思うけれど、よくやったね。

 三木さん『たろさんも、ナイス! 休みなく機械を回してくれたから、作業場の雰囲気ばっちりでした^^』

 たろ『ふっふ。 少しは見直した?』

 三木さん『・・・』

 (会話内容は多少脚色ありです^^;)

 

 抜け目ない私は、キャスターの三木さんと写真を撮ってもらいました^^ 三木さんにはこのブログへの掲載OKをいただいてますが、加工して載せることにします。

 スコーパーの自動車をバックに・・・。 (その後ろが今一つです( ノД`))

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2021年11月16日 (火)

雪虫の舞う・・・

 【雪虫の舞う】

 日中は家の中にいるのがもったいないほどの暖かさになりますが、朝晩は冷え込んでやはりカレンダー通りの季節だなと肩をすぼめてしまいます。

 ふと庭を見ると、いよいよちらちら白い虫が舞うようになってきました。

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 庭木の紅葉の間を、妖精のようにすり抜けていきます。

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 もうすぐ本格的な冬がやってくるんだね。 この季節の風物詩だけど、いったいどこから飛んでくるんだろ?

 

 【Carnelian Syndrome カーネリアン・シンドローム】

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 日に透かすと、まさにオレンジ色の宝石・・・。

 巷にカーネリアンという鉱物がありまして、その鉱物が妖しく放つ色彩に似ているのは・・・。 『皮むいて 干して吊るして 柿甘く』(才能ナシ!)

と俳句に詠われる?干し柿・・・の話。

 

 ここらの農家は、『あんぽ柿』『ころ柿』を作っていて、シーズンになると微力ながらお手伝いをしています。 『あんぽ柿』は干していく段階で、半乾燥で生に近いジューシーな状態、『ころ柿』は乾燥が進んでねっとりとした状態のものだと認識しております。

 明確な違いの説明がありましたら、お教えくださいませ。

 今回は『ころ柿』についてちょっぴりと。

 作っているのは『あんぽ柿』メインなのですが、あんぽに向かないものも当然あり、そういったものは『ころ柿』製造の方へ回ります。 その『ころ柿』は特徴として、表面に『こがふく(粉がふく)』といわれる、白い粉で覆われているのが一般的じゃないでしょうか。

 全体的にキレイに粉がのったもののほうが、高級なイメージもありますね。

 で、その白い粉は、柿の糖分が結晶化したもので決してカビではありませぬ。 私は自然に『こがふく』と思っていました(実際にある程度自然に白くはなる)が、まんべんなく均一に白くさせるために、ある地味な作業があったのでした。

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 それは、『たわしでこする』なんですな^^;

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 ある乾燥段階に達した干し柿を、一つずつ丁寧にコシコシ。 うわうう、手間がかかる~、大変! 作業前と作業あと・・・つまり、ビフォーアフターにほとんど変化のない作業は、なんか精神的にも疲れます。

 柿の収穫であれば木から柿の実がどんどん減っていくし、柿の皮むきであればむかれた柿が山になっていくしで、見た目にも進展してるなあってことになるけれど、これはいかん。

 それはそうと、たわしでこするのは表面に細かい傷をつけ、そこから糖分が沁み出してきて乾燥→結晶化→白い粉になるということなんですな。 しかし作業自体は何とも地味で、思ったより疲労レベルの高い作業でありまする。

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 干し台にぶら下がっているのも、一つひとつコシコシ。 やってもやっても終わらない~! って思っちゃう。

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 これは比較のために、たわしでこすったものとナチュラルなもの。 まだ日が浅いので明確な違いが分かり難いですが、なんとなくたわしありの方が白く粉っぽくなっているように見えます・・・かな?

 もっと乾燥が進めば、その差は明確になるはずです。

 

 あ、地味な作業といえばもう一つ。

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 これは柿のヘタについていた軸の部分。 干し台から外したあとは、チョキチョキチョキと切り落とします。

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 この部分です。 製品には不必要な部分です。

 

 こんな感じで干し柿作りは進んでいき、しかも農家は休みなし。 ここのおやっさんは、朝の4時から寒い寒いと言いながらも柿の皮をむいておる。 もう、家族ともどもお疲れモードなのですな。 私なんかはお手伝いなので、空いた時間だけだし早く帰っちゃうから楽なもんです。

 疲れてくると、休憩時間もだんだん無口になってくるのに苦笑。

 輝く宝石、カーネリアンのあんぽ柿。 美しいオレンジ色のグラデーションと、とろけるような甘さに騙されてはいけません。 ここの農家ばかりでなく、近辺の柿農家全員のメンバーの体力、気力を吸い取る、魔の宝石なのであります。 まさに『カーネリアン・シンドローム』なのですな。

 こんな手間のかかる工程の必要な加工品を、高いね~!なんていってはイカンですね。 それに温暖化で自然乾燥自体が難しくなった近年、乾燥室のような施設も環境も必要で、その光熱費もバカになりません。 (昔は天日干しでしたが、気温上昇でカビ、腐敗などしやすく自然乾燥はまず困難)

 そして、思ったほど儲からないとくれば、後継者がいなくなるわけですねえ。 大変だ・・・。

 

 【寒くなると元気に・・・】

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 今年も元気な皇帝ダリア。

 今まで作物の畑の近くにあり、その背丈により日陰を作ってしまいヒンシュクを買っていました。 それで、結局掘り起こして移植しましたので、今年は花はだめかなあと思っていましたが、なんのその。

 球根(塊根)がかなり大きく太っていたのもあるし、もともと強い性質なのでしょうか。

 しかし、でっかくなる草本植物があるもんです。 しばらく薄紫の花を楽しめることとなるでしょう。

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 窓越しの日差しにぬくぬく。 眠気には、やはり勝てないようですな。

 

 

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2021年11月11日 (木)

見えんけど、おる

 【ムムムの天文現象】

 気温が低くなると、はっきりしてくるのが夜の星。 空ってこんなに透明なのかと思うほど澄んでくるので、天体観測には冬はうってつけです。 

 夜空を見上げて星がよく見えるようになると、私の天体観測魂が首をもたげてきます。

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 こちらは11日の朝、5:40頃の空。 実は水星と火星が接近(11日は平行に並ぶ)しているのですが、高度は低く、丁度明るくなった空に紛れてしまったのでしょうか、み、見えん。

 天文シミュレーターによるとギリギリ見えるはずだけど、やっぱだめかあ・・・。 これ以降は空は明るくなるばかりなので、速攻断念。 観察難度は高めとの情報通りでおじゃる。

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 こちらは少し前の8日。 月が金星を隠す金星食がありましたが、それは日中で仕事もあるので観察は断念。 それでも夕方に見られる月と金星の接近でもと待っていたら曇り・・・ありゃ。 雲の切れる時間もあり、なんとか山陰に沈む直前に撮ることができました。

 

 11月の目を引く天文現象は、あと・・・。

 ①18日 しし座流星群が極大(といっても、期待度低)

 ②19日 満月(ビーバームーン)と部分月食(これは期待度大。 晴れて~!)

 ③28日 小惑星ケレスがおうし座で衝(期待度低 衝とは、太陽-地球-ケレスが真っすぐに並ぶこと)

 くらいかなあ。

 

 【見えんけど、おる】

 最近足しげく通い、ムササビの観察を継続的にしております。 よい動画が撮れたらYouTubeにアップする予定ですが、思うように行かないのが世の常。

 それでも中間報告を兼ねて・・・。

 

 まず、ムササビは夜更かし・・・いやいや夜行性なので、観察そのものが難しい。 赤いプラスチックの薄い板をライトの前に貼り、あまり刺激しないように光を当てます。 強い光では、動かなくなってしまいます。

 ムササビが巣から顔を出すと目が反射して光るので、カメラのピントを合わせてから徐々に電球色のライトを灯し(光を直接当てない)光量不足をカバー。 

 息を殺して観察しますが、うっかりして録画ボタンを押し忘れたり、また押そうとしてもボタンの位置が分からなくなったりと、暗がりでの撮影は明るければ造作もないことも難しくなります。

 とにかく、カメラを頻繁に触って手探りでできるよう、操作に精通しておかなくちゃです。

 たまにはこんなプレゼントも・・・。

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 少し明るいうちに着いた時に、カメラの準備をしていたらなんとなく視線を感じました。 ん? あれ? ムササビが私を観察してるじゃないですか。

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 へえ、明るい時でも顔を出すんだね。 でも、私と目が合うと引っ込んでしまって、もうサービスしてくれません。 うーむ、失敗したなあ、見て見ぬふりをすればよかった。

 

 《鳴き声について》

 何日か観察してみて、大きく分けて3種類の鳴き声を聞くことができました。

 『クルララララララ・・・』 一番多く聞く声。 これが一般的?な鳴き声だろうか。 故志村けんさんの『あああああああ・・・』に似てる。

 『ジジジジジジ・・・』 巣から覗きながら出す声。 ラジオのノイズっぽい。 この鳴き声が終わると、巣から飛び出して滑空。

 『キョヤヤヤ、キョヤヤヤ、キョヤ・・・』 比喩が難しいけど、結構音量は大きめ。 繁殖期に鳴くオスの声という説あり。

 うーん個体差があるだろうけれど、だいたいこんな鳴き声ですね。 録音はできたので、YouTube動画に含めます。

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 木をよじ登っていく様子はリスっぽい。 というか、リスの仲間だもんね。 しかし、すばしっこいなあ・・・。

 

 ムササビは飛び立つ(出巣する)と、朝まで帰らないそうな。

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 鳴き声と共にムササビが遠くへ行ってしまうと、ひとり取り残された私に闇が迫ってきます。 ライトを消すと、森の中らしく一歩も歩けないような暗闇になります。

 そんな中に立っていると、ちょっぴりセンチメンタルな気持ちになってきますな。

 多くの生命を育んでいる森。 なぜこんな空を飛べる動物が生まれたんだろう? そしてそれを生で見られるという喜悦、感慨。

 ムササビ観察してるよ、なんて言うと聞かれるのが・・・。

 『そんな真っ暗なところにいて怖くないの?』 私は自然の中の暗闇には恐怖心はありません。

 『出るぞ出るぞ~!』 ふーん、何が? 出るんなら見てみたいもんだ・・・。

 とはいっても、暗い森の中にいるとやはり何かしらの気配を感じるかもしれません。 ・・・『見えんけど、おる』

 

 氷川きよしが歌う、ゲゲゲの鬼太郎の歌『見えんけれど おるんだよ』ってあります。 見えるものより、見えないものの方が大切・・・いや、見えないものの方が真実? なんか深い歌詞ですな。

 『見えんけど、おる』 そんな自然の息づかいを、確かに感じたのでありました。

 

 《追補》私は興味を持ったことは深く知りたいというタイプなので、さっそく書籍を購入してしまいました。

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 知識は広く、深くを心掛けているのですが、忘れるのも早し・・・(;'∀')

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2021年11月 7日 (日)

眠りの田の美女?

 【染まる湖】

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 今秋は何やらとあってバタバタしていますが、ふと一息つくと周囲が秋色に染まっているのに気が付きます。 裏山の中腹にある湖もそろそろ見頃だんべと思い、ちょっと足を伸ばしました。

 ふんふん、毎年の事ながら、ここからの景色は逸品だわい。 近年、マスコミの宣伝もあって、ここの紅葉を見に大勢の人が集まるようになりました。 私は人混みが苦手なので、人が来る前に早々に退散。 以前は静かで訪れる人も少なく、ほぼ独り占めできた風景はもう過去の事・・・。

 自分だけの宝物が思い出になっていくのは、まこと寂しいもんですな。

 

 【眠りの田の美女】

 さて、今年最後の田んぼ作業の耕運(田起こし)を行いました。

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 稲刈り後に耕運をする意味は・・・。

 ①細断して撒き散らした藁を土中に埋め、分解を早める。

 ②病害虫を露出させ、冬の寒さで殺菌、殺虫する。

 ③多年草の雑草の根を掘り起こし、枯死させる。

 などかなあ。 ローターの回転は『低』にして、土は荒く表面積が多くなるようにします。

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 どこで見ているのか、耕運を始めると必ず鳥がやってきます。 あれは、ハクセキレイですね。

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 土中の虫たちが、驚いて飛び出してくるのを狙っているのでしょう。 トラクターのエンジン音、ローターの回転音などまったく動じる様子もなく、間近までやってくるので観察のチャンス。

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 石垣スレスレ、2cmの隙間で切り抜けだい。 ふっふっふ、見よ、このドライブテクニック!

 『ガリ!』 『あり?』

 うーむ、石垣の地面に埋まっていた部分がはみ出していて、それに擦ってしまった。 うーん、まさに氷山にぶつかったタイタニック号じゃ。 油断大敵火がボーボーじゃわい。

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 トラクターは距離計ではなく、重機などと同じ『アワーメーター』です。 つまり何キロ走ったのではなく、何時間動いていたかですな。

このトラクターは中古で購入して、現在『630.8時間』 何かの資料で読んだ記憶でいくと、機械がヘタるその寿命は『馬力×100』時間だそうな。

 私のトラクターは14馬力なので、『14×100=1,400』 『1,400-630=770』であと、770時間が目安です。 ま、あくまでも目安なんですが、とにかく大切に扱っていきたいな。 どちらかと言えば過酷な作業に使われる機械だけど、なくてはならないもんね。

 

 とまあこうして、ラピュ田は眠りにつくことになります。 来年まで『眠りの田の美女』となるのですな。 ・・・って、田んぼは女性なんかなあ?

 いや、そう思っていた方が夢があります。 来年暖かくなって、『たろ王子』のチュウで目覚める『眠りの田の美女』(そのときの『たろ王子』の唇は、きっと土だらけに違いない)

 

 【渋いヤツ 干されて長く 甘くなる】 

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 でけたでけた。 先日山から採ってきた山柿で作った干し柿。 なかなかいい出来、さっそく試食。

 『うーん、あんまい。 おいP』 決して濃厚ではなく、あっさりした甘みのデザート。

 

 田舎のいいところの一つ、自然の恵みがいっぱい。 お街では絶対に味わえない贅沢な体験&時間ですな。 若い頃はとにかく都会が好きだった(東京杉並区に6年間在住し、第二の故郷になるところが就職後仕事により転勤、転勤)のが、今ではインカ帝国・・・ならぬ田舎帝国暮らしを何より愛するようになりました。

 何がベストなのか分かりませんが、その時々の環境を楽しむ心が大切なのではないでしょうか・・・。

 

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2021年11月 3日 (水)

霜月Pastorale

 早いもので、もう11月。 日中はほかほか日差しが暖かいけれど、朝晩は冬の訪れを感じさせる気温になります。

 11月の異名は一般的に『霜月』ですが、他にも『神帰月』『神来月』(かみかえりづき・かみきづき)とかあるそうな。 10月が『神無月』で神さまがいない月だったので、帰ってくる月という事であるらしい・・・。

 ふーん、へ~ぇ。 知らなかった事が、世の中にはまだまだたくさんありますな。

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 紅葉がそろそろ美しくなる頃なので写真を撮りに出かけたいけれど、なにかとあって行けずじまい。 休みの日は干し柿作りの手伝いもあるしなあ・・・と、思っていたら本日は祝日ですた。

 出かけよーかなー。 でも、野良作業がしっかりありました。

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 冬を迎える前に、田んぼの耕運をしなければなりません。

 (豆知識? 私は耕運と書いていますが、本来の意味からすれば『耕耘』らしいです。 別に『耕運』と書いても間違えではありませんけど、ちょっぴり気になりました。

 『耘』の字が難しいから? ってなことで、農業機械のメーカーのサイトを調べると『耕うん機』とひらがなでごまかしてありますた。 なんかズルいような)

 話を戻して・・・。 そのままトラクターを転がしてしまう人が多いけれど、私はこの二番穂が気になります。 そこで刈払機で刈り取ってしまいます。 さすれば早く腐って栄養になってくれるんじゃないかという事で。

 確かに時間がかかるし無駄な作業と言われればそれまでですが、ちょっとしたこだわりなんですな。

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 ミニ稲作体験コーナーもやります。 ここでも稲束3つ分はとれたなあ。

 二番穂にはちょっぴりお米もなっています。

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 そういえば、いつぞやラジオで流れていた話題があります。

 食糧難に備え、二番穂を育てて二期作のできる品種とノウハウを研究しているということ。 暖かい地方(沖縄)の一部で、稲の二期作(同じ作物を年に二回栽培すること。 二回目は別の品種を栽培することは二毛作)が行われているが、それをスタンダードにしていこうという話です。

 二回目の米は味はともかく量で勝負・・・じゃないけれど、とにかく食料には違いありません。 現在は温暖な地方でないと不可能だけど、将来はこの二番穂からも十分に収穫できるようになるかもしれません。

 ・・・という、プチニュースでした。

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 ミニ管理機で、『くろ』(ここらの言い方で、田んぼの角や端を指す)を耕運します。 トラクターでは細かいところはできないのですな。 この作業も面倒という人はしません。

 やれやれ、やはりこれだけでも結構な時間がかかってしまったわい。 でも、あとはトラクターを転がすだけとなりました。 それでホントに今年の田んぼ作業が終わるのであります。

 

 【夜のお友達】

 夜ならば野良作業もないし自由だ~! っと、最近時間があると裏山に出かけております。

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 そう、ムササビ観察。 確認できた数は4匹で、巣は2か所です。 数はもっといるとは思いますが、なんせ暗いので確認作業はなかなか難しい。

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 新しく見つけた巣。 こちらの様子を伺っています。

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 するすると出てきました。 これはカメラを手持ちだったので固定したいーと、もたもたしていたら飛び去ってしまいました。 いかんなあ・・・。

 でも、次は初めからこの場所を狙えそう。 高輝度のライトは刺激が強くて使えないけれど(写真は編集でかなり明るくしてます)、本音はもっと光を!ですな。

 

 知人に写真を見せたら、ムササビもまあ興味深いけれど、そんな真っ暗なところに独りで行く人の気が知れないと。 言われてみると、滅多に人の行くところではないし、ただ巨大な木々がうっそうと生い茂っているので夜は確かに暗闇ですなあ。

 でもムササビに会えると思うと、まったく平気なのですな。 目的があると、人間強しです。

 

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