今回は久しぶりに、『たろじろう』の実験コ~ナ~!
うっす、たろじろう先生?じゃ。 いやあ、冷える冷える。 空気にトゲがあるように、冷気が体に突き刺さってきますなあ・・・。 こんな夜は美しくも妖しく、そして体をほんわか包む、あったか~い白まじゅちゅ・・・、うっほん、白魔術をするに限るぞな。

マネをする方などいないと思うが、それでも万が一自分で実験するときは気を付けなければいかんぞ。 今回の魔術は火を使うので、特に注意が必要じゃ! 空気が乾燥しているからねえ。 それに万が一の事故に備え、お目々を守るためにも保護メガネを必ずかけませう。
【白魔術 その1 - びびでぃばびでぃ綿棒 -】
用意するもの(したもの)
・無水エタノール
・綿棒
・紙粘土(綿棒を固定するため)
・試料としていくつか
塩(伯方の塩でなくてもいいので普通の塩)
塩化カルシウム(道路の凍結防止剤など)
焼きミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム 食品添加物・あく抜きなど用)
ホウ酸(眼の洗浄用などの用途で薬局にて販売)
重曹(炭酸水素ナトリウム)
・紙コップ(溶液を作るため)
・ライター
紙コップに資料をそれぞれあけ、エタノールを混ぜて溶液を作ろう。 (溶けにくいのは、あらかじめ少量の水で溶かした方がいいかな?)
綿棒にその溶液を浸し、火をつけるのみ。 炎の色の変化を見てみようという次第じゃ。
雰囲気の出るよう、ちょっとしたアイテムを置いてみたよ^^;

①エタノールのみの炎の色

炎色の比較のため、エタノールのみで燃やしてみた。
②塩

うーん、わずかに色が変化しているような・・・。 よくわからん。 やはり伯方の塩がよかったかなあ?
③塩化カルシウム

若干赤いような気がする。 溶けにくかったので、溶液が薄いのかも。 うーん、何とも言えん。
④ミョウバン

うむむ、これも何とも言えんなあ・・・。 青系統になってるかな。
⑤ホウ酸

これはスゴい! グリーンの炎。
⑥重曹

おお、赤く燃え上がった。 火力も強くなったぞ。
はいはい、いかがかな? これは『炎色反応』というもの。 学生の頃、科学実験で習ったことがあるだろう。 燃やすと元素特有の色を出すというものじゃ。
センセ的には『ホウ酸』が一番ぐっときたのでアンコールしちゃいましょう!

うーん、妖しい・・・。
ドーンと鳴った花火は、このように様々な物質で鮮やかな色を付けているのだな。 一般には手に入りにくいものもあるが、身近な素材でもこうして楽しむことができるという次第。

魔術に参加していただいたメンバーの皆さん。 しかしこの綿棒での実験は、炎色の同時比較が難しい・・・。
ということで、追加実験・・・、ではなく、追加まじゅちゅだ~!
【白魔術 その2 - びびでぃばびでぃアルミのお皿-】
次はアルミカップにエタノールを含ませたコットンを入れて並べ、同時に火をつけてみたいと思う。 そうすればいっぺんに色の比較ができるというわけじゃな。
最初からこれにしておけばよかったような気もするが、まあ魔術にもステップがあるからねえ。
追加で用意するもの(したもの)
・アルミカップ(お弁当などで、おかずを小分けするもの)
・コットン
実験その1より火力が強くなるので、引火に気を付けよう。 注意一秒、火がボーボーじゃからな。 金属網にアルミ箔を敷いて、念には念じゃ。

こんな風に並べ、その上に試料をパラパラとトッピング。 火をつければ・・・。

おおおお・・・。 これは色の違いが分かりやすい。 ただ、④のミョウバンはデータ的にはカリウムの淡い紫の炎なんだけど、うーんかな?
【白魔術 その3 - びびでぃばびでぃカッパの銅線 -】
カッパといっても、水辺に住むカッパではないぞよ。 銅を使うのだ。 銅は英語でCopper・・・カッパーなんでついカッパが浮かんでしまった・・・。
魔術その3は、銅線を使った『バイルシュタイン試験』というものじゃ。
その前に化学のおさらい。

元素周期表というものがある。 これはセンセがExcelでちょいちょいと作ったので間違いがあるかもしれんが、オーソドックスな表はこんな感じかな?
現在名前の付けられた元素は118種類で、覚えたこともあるであろう。 ちなみにセンセは118種類全ての名前と順序を記憶しておるぞ、えっへん! ま、それが何の役に立つ?と言われればそれまでじゃが、人より118個の知識が多いという自己満足じゃ。 煩悩より10個も多いのじゃわい。
しかし記憶とは薄れるものなので、たまにお風呂に浸かっているときとか、トイレで座っているときに元素名を復唱するようにしておる。
副作用として『あいつは水素なヤツだな』とか『あの人はネオジム人間だなあ』とか、変に変換するようになってしまったかもしれん。 ちなみに水素は燃えやすい・・・すぐに熱くなる、ネオジムの磁石は強力・・・ねちっこい。 などとね。

話がだいぶ逸れたが、元素周期表は縦軸が『周期』、横軸が『族』、このうち17族の元素を『ハロゲン族』という。 ハロゲンとは、反応性が高く、アルカリ金属(第1族 水素は除く)、アルカリ土類金属(第2族 ベリリウム、マグネシウムは除く)と結びついて『塩(えんと読もう)』を作る。 ギリシャ語の「alos(塩)」「gennao(つくる)」を合わせて、「halogen(ハロゲン)」となったそうな。
さて、銅はその対象の物質に、元素(ハロゲン)が含まれているかの試験に使えるのじゃ。 (塩素、臭素、ヨウ素で、フッ素は検出できないそう)
用意するもの(したもの)
・銅線(電気コードの被膜を剥いだもの)
・ガスバーナー(卓上コンロのガス缶に付けて、バーナーとして使える器具)
・ラップ(ポリ塩化ビニリデン製のもの)
・塩ビ管
バーナーとあるので、気軽にできる実験ではないかもね? 無ければキッチンのコンロでも可だけど、有毒ガスの発生もあるので換気に気を付けよう。 あ、あと火傷にもね。
まず、不要の電気コードの被膜を剥がして、銅線を作る。 それをバーナーで真っ赤になるまで炙るのだ。

しばらく冷まして酸化して赤黒くなったら(酸化銅)ラップなどの試料をくっ付けて、再び炙ってみよう。

すると、炎が緑色になるはず。 酸化銅が鋭敏にハロゲン物質と反応して、炎色反応を示すというわけじゃな。

試料を塩ビ管の欠片にしてみたが、結果は同じ。 バイルシュタインという化学者が考案したので、『バイルシュタイン試験』と呼ばれておるのだな。
以上、白魔術その3である。
精度はとにかく、実験としては物質の不思議な一面を見られると思うよ。
ついでに、青い色の紙(折り紙?)を燃やしてみよう。

緑の炎になるかな? 顔料に銅フタシロアニンという物質が含まれているので、炎色反応を示すということらしいよ。 色と炎色は一致しないというよい例だね。

うむ? この写真をよく見ると、炎の中に目が? わわわわ・・・、デビル君を呼び出してしまったあ!?
実験が終わった頃、私の体は冷え切っておった。 火を使う実験だけど、やはり小さな火ではあったまらん~。
長い記事になったけど、また新たな白魔術を考えておくのでお楽しみに? では、さらばじゃ・・・。
※参考文献 「元素のすべてがわかる図鑑」(ナツメ社)
「美しい元素」(学研)