« 2019年8月 | トップページ | 2019年10月 »

2019年9月30日 (月)

葉が散る前に、藁が散る!

 こちらはすっかり秋の空気・・・。 日差しは強いものの、吹き抜ける風は爽やかに頬を撫でていきます。

 本日は休みだったので、稲作の一環である藁を散らす作業を行いました。

2469

 ふと見ると、部屋の中でワンちゃんが気持ちよさそうに寝ています。 窓越しの日差しが暑くないのかな?

 『ハウルくん! とーちゃんちょっと野良へ行ってくるからね』

 

2470

 これは藁を裁断する農業機械です。 義父の時代のものだから、かれこれ30年選手といったところでしょうか? メンテナンスを重ねて、なんとか動いています。

 新しく購入するとなると、恐ろしく高額です。 一般的に農業機械は価格が高く、趣味で作る分にはまったく採算が合いません。 私は義父の遺してくれた農業機械がいくつかあるので、かなり助かっています。

2474

 手前の開口部に脱穀の終わった藁束を突っ込みます。 無骨なローラーが回転しているので、うっかり引き込まれでもしたらイタイでは済みません。

2473

 これが裁断の刃で2枚あって高速回転します。 ここも危険な部分です。

 聞いた話ですが、近所の人の知り合いが藁が詰まったので取り除こうとしたら手を引き込まれ・・・〇×※△&◇・・・ってなことがあったようです。 怖いですねー。 機械は便利だけど、非情ですからね。

2471

 とにかく、噴出口から細かくなった稲藁が勢いよく排出されます。

2472

 移動しながら田んぼ一面に平均となるように散らしていきます。 これが腐って、来年のお米の養分となるのです。 稲作はこうして無駄になるものなく、効率的に行われてきたのですね。

 

 頑張って作業していたら、夕方までかかってしまいました。 あー、ワンちゃんの散歩に行かなければ・・・。

 シャワーを浴びて、いそいそと散歩に出かけます。

2475

 ワンちゃん、なぜか田んぼの前で立ち止まって何かを見ています。

2476

 ちなみにこれは、ワンちゃんが美容院に行ったときにつけてくれたリボン。 ハロウィンのデザインのようです。 ハロウィンには早いけれど、収穫にちなんでよろしです^^;

2479

 おっとワンちゃん、田んぼに下りてはしゃぎ始めました。 私が散らした藁の匂いが気になっていたのかな?

2477

 走る走る、回る回る! 

2478

 おいおい、目が回っちゃうぞ!

 

 藁を散らす作業で、一応収穫に関連する一連の作業は終わります。 あとは、11月になったら荒起こしという作業で、トラクターがけをします。 土壌の天地返しとともに、冬の冷気にあてて害虫などを駆除する目的もあります。

 田んぼが今年の眠りにつくまでもう少し・・・。 そのころには山の木々も散っていることでしょう。

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (4)

2019年9月29日 (日)

森の愉快なパフォーマーたち

2466

 本日は天気が崩れる予報でしたが、よい意味で裏切ってくれました。 さわやかな空を秋らしい雲が流れています。

 お米の収穫も終わり、ほっとしたところで今度の土日は例の登山口の宿泊施設のアルバイト。 でも、時期的に利用するお客さんが少ないので、周囲を散策する時間がたっぷりとれました^^;

 この時期は、キノコがたくさん見られるので、どうしてもそっちに目線がいきがち・・・。 その中でも、私が面白いと思ったものを紹介していきたいと思います。

 

 【林床のロッケンローラー】

2455

 にゅっと突き出た、ステージマイク。 おうおう、これからライブの始まりでい! ロッケンローラー『カラカサ永吉』登場だい。 

 ・・・と、待ってもライブが始まらんなあ~。

 そのうち・・・。

2456

 マイクは膨らむ・・・。

2457

 膨らむ・・・。

2458 

 立派な『カラカサタケ』になりました。 直径25cmほどにもなる、ビックなやつです。 食用になるようですが、レジェンド『カラカサ永吉』を食べてはいけません! ヨロシク!

 

 【白いドレスの魔女】

2461

 はっとするほど目立つ純白のドレス。 薄暗い林床でも、遠くから確認できます。 おー、淑女が私を呼んでいる~!

2460

 これも結構大型のキノコ。 清楚にみえるこのキノコ・・・実は猛毒の持ち主です。 名前も恐ろしい『ドクツルタケ』です。

 致命的な毒を持っていて、猛毒キノコ御三家のひとつと言われています。 美しいものには毒がある・・・ありすぎです。

2459

 『食べたいかえ~』 『いやいや、喰わん、絶対に喰わん!』 『ほれほれ~』 魔女は微笑むのでありました。

 

 【喰いねえ喰いねえ】

2462

 炊き立て召し上がれ! 怪しげな器に粒々を盛っています。 『喰いねえ喰いねえ』 『喰えん喰えん』

 これも、キノコの仲間『コチャダイゴケ』です。 この粒々の中には胞子が詰まっていて、雨で流れて放散する仕組みのようです。

2463

 これは時間が経ってしまったもの。 残り一粒・・・でも、カビが生えて?いるぞなもし。

 『余計喰えねえ・・・』

 

 【朱塗りのお椀】

2464

 緑の苔の中に映える、朱塗りのお碗。 『ベニチャワンタケ』です。

 『お味噌汁入れて飲むかい?』 『飲めん飲めん』

 チャワンタケの仲間は、名前の通り丸い器のような形をしています。 ユニークなのですが、ちょっと小さいものが多いので、見つけにくいかな?

 落とし物を見つけるように、よく地面を観察しないと探し当てるのはなかなか困難です。

 

 【フェイクお椀】

2467

 これもお椀のような形。 よく見ると、内側にヒダが・・・。 チャワンのようでチャワンでない?

2468

 『スギヒラタケ』の幼菌のようです。 スギヒラタケは、近年まで食用とされてきましたが、中毒者がでたため一転、毒キノコとして分類されました。

 やはり、キノコは気を付けるに越したことはないですね。

 

 【イガイガクリ坊主】

2465

 ちょっと可愛らしい『ホコリタケ』 俗に『キツネノチャブクロ』とか言われているのかな? 成熟すると、ぱふっぱふっと胞子をてっぺんの穴から吹き出させるカワイイやつです。

 

 キノコは多種多様で目を楽しませてくれますが、観察するだけにしておいた方がやはりいいようです。 またキノコは判別が難しく、その土地によって変化があるので、もしかしたら名前が間違っているかもしれません。 ご了承を・・・。

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (8)

2019年9月27日 (金)

白い宝石 ゲットだぜ!

2450

 天空から降り注ぐ、白い宝石の粒・・・。 ではないけれど、なんとか収穫まで漕ぎつけたお米でございます。 農協の精米機で精米してきて、ようやく味見ができます。

 今年は稲刈りにかなり苦労したので、やれやれという気持ちしかありません。

 田植え後の日照不足で収穫量が心配されましたが、どうやら去年より『ちょっとだけ減』くらいで済みました。 今年は特にイノシシの被害があったので、5%は減っていると思われます(収穫袋の数から推定して)

2453

 30kgの籾が入る袋に詰めていくのですが、パンパンに詰めるとさすがに重くていかんです。 以前はひょいひょいと(でもないけれど)持ち歩けたのですが、だんだんとツラくなってきました。 寄る年波には勝てぬ・・・のかなあ^^;

2451

 家の屋敷神さまにもちょびっと奉納。 ここは田舎なので、各家の敷地にこうした神さまが祭ってあります。 信心深いわけではありませんが、みな大切にしています。

 この奉納したお米は、結局鳥たちが食べてしまいますが、さすれば空に帰るということで・・・。

2452

 私は特にお米で儲けようとは思っていないので、いろんな人にお裾分けしています。 これは同じ職場のメンバー分。 味見してもらうと、何人かは買いたいという申し出があるので、その分は格安で譲っています。 籾の状態ですが、30kgで5,000円です。

 でも、そんなにたくさん作っているわけではないので、数は限られますけど・・・。 自家消費分はとっておかないと、自分が買わなくてはならなくなりますからね^^;

 まったくの無農薬とまでは言えませんが、自分としては農薬は最低限に抑えています。 農協で種籾は買うので、どうしても殺菌剤で消毒してあります。 苗が育ってきてパラパラと粉末殺虫剤。 そして田植え後1週間目に使用する水和性の除草剤です。

 使用基準よりだいぶ少なくしているので、あまり効かないのか毎年雑草だらけとなり、苦労しているんだよなあ・・・。

 現在の農業で、まったく農薬を使わないで作物を作るのはかなり困難だと思います。 農協の指導に従っているので、人体への影響は最低限の農薬だとは思いますが、それでも使用している限りは残留農薬は0とは言い切れません。

 近年の温暖化の影響か、害虫の大発生、病気の蔓延が顕著となり、それで全滅するよりはマシだと思っています。

 実際に確認したわけではないけれど(いろんな農家の人の話を聞いた限り)、市場に出回っているものは農薬が滝のように使われていると思いますが、いかがなものでしょうか?

2454

 以前はこれが印刷された贈答用袋を使っていたのですが在庫が底をつき、やむなくコピーして貼り付け。 たくさん配ったもんね。

 『美味しかったよ!』って言ってくれるだけで、また来年もガンバローという気持ちになるので、それだけが励みです。 経費や労力を考えれば、買った方が安いもんな・・・。

 いつまで稲作ができるか分かりませんが、体が動く限り美味しいお米を作っていこうと思います。

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (10)

2019年9月23日 (月)

森の愉快な雨傘たち

2441

 台風の影響で、雨にたたられた三連休でした。 時には激しく、時にはしっとりと降る雨は、まだ顔を出す夏の名残をぐんぐん溶かしていくのですね。

 雨の後は、ひょっこり顔を出す森のキノコ。 今頃傘を開いても雨はやんでいるよー。 と、突っ込みたくなりますが、その姿は可愛らしくもグロテスクでもあります。

 グロ系はあんま好きでないので、可愛い系または面白い系を載せてみたいと思います。

2442

 地面に咲いた花? うーむ、ツチグリかと思ったけれど、違うなあ・・・。 キノコは判別が難しいし、私の知識もたいしたことありませんので迷うところです。

2443

 候補としては、『エリマキツチグリ』か『フクロツチガキ』か・・・。 うーん、わからん。 誰かおせーてー!

2444

 真ん中の丸い袋を押すと、先端の穴から胞子が飛び出してきます。 ぱふっ、ぱふっ! うわ、もわもわ。

2445

 こちらは、地面からでてきた箒? うーむ、これもよくわかりません。 ホウキタケの仲間だと思いますが、これから大きくなるのかな?

2447

 釘の頭のような、真っ赤な小さなキノコ。 傘の直径は5mmほどでしょうか? これも困った・・・。 『ベニヒガサ』か『ベニチャワンタケ』か・・・?

 2446

 ちっちゃい、ちっちゃい。 オチバタケの仲間でしょうか? ガラスで作ったライトスタンドのような、透き通る美しさです。

2449

 木の枝のようにちゃっかり生える、ちっちゃいやつ。 もう、なんだかわからん^^;

2448

 青色だけど、私が探しているソライロタケではありません。

 

 ・・・と、何一つ正確な名前の分からないキノコたちでしたが、探せば探すほど様々なものが見つかります。 雨上がりの後は、また違った世界が広がっています。

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (8)

2019年9月20日 (金)

花のお山のお掃除隊 その2

2432

 さてさて、お山のお掃除隊の続き・・・。

 原生林の残るこの山は、苔むした地面が広がる、まるで『もののけ姫』の世界のような風景も見られます。 ころころした木霊がひょっこり、木の陰から現れそうな気もしますね。

2433

 これはノコンギクだと思うのですが、確証はありません。 園芸品種などは紫色をしていますが、野生のものは純白のもありますからたぶんそうでしょう。

 うーむ、もっと詳しく観察すればよかったな。 確認しにまた山に登るのは、肉体的にもツラいところ・・・。

2436

 『枯れ木に花を、咲かせませう~』 ではないけれど、まるで木全体に白い花が咲いているような・・・。

2437

 これは『サルオガセ』などの地衣類なのです。 寄生しているわけではなく、樹皮にぶら下がって生きる生物です。 なんとも不思議な光景。

2438

 遊歩道を区切っているロープにもびっしり。 生命力ってスゴイですね!

2434

 ナギナタタケも見つけました。 少し前の記事では、赤いベニナギナタタケを紹介しましたが、こちらはイエロー。

2435

 個体的にも随分大きいものもありました。 こりゃほんとに長刀・・・いや、薙刀です。 

 他にメンバーもいるので、ゆっくり写真を撮ることもできず、ちょっと物足りませんでしたが、また一人で登って思う存分写真を撮ってきたいと思います。

 

 さて、お待ちかね? 試食コーナー~!

2439

 取り出したのはガマズミの実。 『木の実草の実味見の会』の会長(といっても一人しかいませんが)である私は、さっそく口にポイ!

 うみうみ、もがもが・・・。

 ぐひゃっ! 渋い! まずひ! ぺっぺっ・・・。 あー、またハズレ(/o\)

 おあともよろしくないようで・・・。

 

 【考察タイム】

2440

 前回載せたマイヅルソウの実もそうですが、見た目は甘そうだけど、不味いものが多いです。 それはなぜかという疑問に、ある仮説を立てた方がいます。

 前提として、まず自然界には赤い実が多いということ。 これは葉の緑色の補色となって鮮明なコントラストになっているのではないか。

 イヌやネコの色覚は赤い色を区別できませんが、鳥は人間と同じように赤を識別できます。 赤はその鳥類に十分アピールできる色と言えます。 実が甘く美味しければ、鳥たちは実をどんどん食べて種をまき散らせてくれるはずに違いありません。

 それなのに私が吐き出したように、不味いものも多いのはなんでだろ~。

 ①経済説  実を美味しく・・・つまり栄養価を高くするには相応の栄養分を実に注ぎ込まなくてはなりません。 自分が成長するための栄養を実にどばどば配分していれば、結局のところ植物にとってはかなりの負担となり不経済です。

 安価な合成物(つまり、あまりエネルギーを消費しない)アントシアニンの色素で赤くしておけば、外見よろしの不良品だったとしてもごまかせます。 鳥はその赤い色で飛びついてしまいますので。 (人間にも多そうですが^^;)

 

 ②わざと不味くしている説  美味しければ、鳥はバクバク食べてしまって消化できない種は一か所に一気に出す!(笑) そうなると、広く種を散布するという植物の繁殖の目的が若干損なわれます。

 不味ければ一気食いはなくなり、結果数多くの鳥たちが食べることができるし、また不味かったことを忘れてしまった鳥がまた食べる。 そんなことで時間的にも空間的にも広く種をばらまくことができるのではないでしょうか。

 

 ・・・という仮説ですが、果たしてなにが正解なのでしょう? 簡単に答えをくれるほど、自然界は単純ではないですね。

 

 【参考文献 したたかな植物たち 多田多恵子著 ㈱SCC】

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (4)

2019年9月19日 (木)

花のお山のお掃除隊

 清々しい朝・・・透き通るような秋の空気はいいですね。 それでも太陽が昇りきると、気温がぐんぐんと上がって夏が未練がましく顔を出します。

 でも、晴れてよかったな。 週末から天気が下り坂なんで、済ませられることはどんどんやっておきたいものです。

 さて、平日なのに今日は『ネーチャンネーチャーガイド』の研修日。 見習いネーチャーガイドの私は、言われるままに集合場所へ向かいました。 ほんと、ネーチャーよりネーチャンの方がいいんだけれど、これも世のため人のため。

 稲刈り作業でまだ疲れの残っている体で、山登りです。 本日はガイドをするのではなく、登山道に点在する簡易トイレのお掃除なのでした。

2423

 向かうは櫛形山山頂。 この山は原生林がまだ多く残り、見上げるような巨木も各所に点在しています。 これはダケカンバの巨木。 ちょうどメンバーが前を歩いていたので、その大きさが想像できると思われます。

 またこの山は花が多い事で知られていましたが、近年はシカの食害(ばかりでなないでしょうが)で、めっきり減少。 防獣ネットを張るなどの保護対策で、ようやく少しずつ復活しているようです。

2425

 トリカブトは至る所で咲いています。 妖しいイメージのあるトリカブトだけど、やはり魅力たっぷり。

2426

 シカは、このトリカブトの葉まで食べてしまうという事を聞きますが、毒でやられないのでしょうか? 『毒を食らわば皿まで』なんでしょかねー?

2424

 ぽくぽく歩いて山頂へ・・・。 2,000mを超える山なんで、空気は冷たく休んでいると寒くなってきます。

 2427

 山頂を過ぎ、『裸山』から『アヤメ平』へ・・・。 ここの休憩所に、トイレ掃除の道具やタンクに溜めておく水があります。 それを持って、ちょっと離れた簡易トイレに向かいます。 ゴシゴシ・・・。

2428

 足元を見ると、マイヅルソウの実が赤く熟していました。

2429

 真っ赤に熟す前は、斑のあるウズラの卵のような感じです。 大きさは5mmくらいでしょうか。

 見るからに美味しそうなルビーのような実。 さっそく口に入れてみました。

 ぷちゅっ! ん? あまり味がしないなあ・・・。 いや、そのうち苦みが広がってきました。 うわ、まじい、ぺっぺっ! こりゃダメだ。

 見た目はいいのに味はいかん。 まるで〇〇さんの料理のようではないか・・・(誰でせう^^;)

2430

 帰路に向かい、『裸山』をめぐるとこんな標識が・・・。 え? ここからいくルートがあるの? と思ったら、この方向に山が見えるよということでした。

 あいにく富士山方面は雲の中。

2431

 北岳方面は、山頂がちょっぴり見えるだけ。 うーむ、残念。

 

 他にも様々な発見がありましたが、それは次回に・・・。

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (6)

2019年9月18日 (水)

空には雲、地上には星

2421

 残暑厳しい日が続きましたが、本日は暑さも一休み。 午前中はお日様が元気に輝いていたのに、時間を追うごとに雲が空を覆い隠していきました。 久しぶりの雨・・・。

 稲刈りが終わり、脱穀を待つばかりの稲が濡れてしまうなあ・・・。 まあ、雨よけのブルーシートはかぶせてあるので、これくらいの雨では問題ないとは思います。

 稲は、ここらでは『うし』と呼ばれる干し台に吊るしてありますが、根元が濡れるのは避けたいもの。 根元から雨がしみ込むと、乾くのに時間がかかってしまうので、その対策です。

 

 空には雲しか見えませんが、地上では小さな星が光っていました。

2416

 アケボノソウです。 湿地によく育つ花で、花弁の斑点を夜明けの星空に見立てたことからこの名がついています。

2419

 ここらへんの土地は、田んぼに水を引くための水路が縦横無尽に走っているので、どうしても水路の劣化で水が染みだし、湿っている部分が多くあります。

 うちの庭の隅、畑の隅などもじゅくじゅくしたところがあり、湿気を好む植物が育ちます。 このアケボノソウもそのひとつ。

2418

 今年もスクスクと伸び、小さな星空を見せてくれました。

2420

 なんとなく顔のような・・・。 アヒルっぽい? そう見えるのは私だけかな? ( ↓ )

2422

 

 この花が咲くと、秋を実感します。 稲刈りの時期に咲く花・・・あと何年稲作ができるかわかりませんが、それまでは咲き誇っていてほしいものです。

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (10)

2019年9月15日 (日)

『たろうに剣心』 -令和稲作浪漫譚・無限刃編-

 9月13日は『中秋の名月』でしたが、あいにくの曇り空。 分厚い雲のカーテンの向こうに申し訳なさげに光るお月様を眺めながら、ほっと一息ついていました。

 せめて部屋では、お月見の用意をしようと窓際に飾り付け。

2415

 ちなみに『中秋の名月』は、旧暦の8月15日なので毎年変わってきます。 余談ですが2020年は『閨4月』、いわゆるうるう年なので、10月1日が『中秋』となるそうな・・・。

 (天文学としての秋分の日以前の一番近い朔(新月)を1日目として、15日目を中秋とするということですね)

 

 ・・・まあ、前置きはこれくらいにして、土日は稲刈りで奮闘いたしました。 暑いし歩きにくいしで、もうくたくた。 そんな様子をつづっていきたいと思います。

 私の好きなコミック・・・『るろうに剣心』がベースですが、ストーリーは別物です^^; 分からない方は、原作を読もう!

   

   ☆ ☆ ☆ 

 

 幕末の動乱期の渦中であった『羅飛田(現在のラピュ田)』に『稲刈り抜刀斎』と呼ばれる農士がいた。 修羅のごとく稲を刈り、いつしか『最速』とまで呼ばれるようになった。

 しかし、動乱の終結とともに姿を消し、最速と言う名の伝説として語り継がれることとなったのである。

 その後、再びこの羅飛田に動乱を起こし、己が『最速』の名を手に入れようとする輩が現れた。 『志々雄マコ』ちゃんを中心とする勢力である。 彼は『新井しゃっくり』という名工が作った『無限刃(むげんじん)』という鎌を手にし、ここまでのし上がってきたのであった。

 マコちゃんはせっかちなので、うっかり無限刃で自分を傷つけてしまうことが多々あり、体中絆創膏だらけの姿。 それでも、そのカリスマ性と手腕で多くの部下をまとめてきたのである。

 そして羅飛田の動乱を治めるべく立ち上がったのが、長い間流浪の旅を続けていた『稲刈り抜刀斎』である。 

 『「最速」の名が惜しいわけではないが、お前だけには譲れない!』

 激闘の末、全身絆創膏だらけで暑さに弱いマコちゃんは、15分しか炎天下にいられない体にも関わらず闘い、ついには熱中症で倒れたのである。

 闘いに勝った『稲刈り抜刀斎』は、また流浪の旅にでることになる。

   

   ☆ ☆ ☆

 

 そして今・・・。 志々雄マコちゃんとともに長い間消えていた名鎌『無限刃』が、巡りめぐって私(たろ)の手に入ったのであります。 どうして? なんて思わないようにしましょう。 浪漫がなくなります。

2410

 「おおおおおお・・・。 力がみなぎってくるぜ」 握った手から、志々雄マコちゃんの執念が乗り移ってきたのでしょうか・・・。

 刈るべし! 刈るべし! 台風から始まり度重なる夕立ちでドロドロになった田んぼの、稲刈り機の入れないところの稲をバッサバサ!

 ふうふう、こりゃくたびれる&腰がキツい。 しかし無限刃の力を借りて、ガンガン刈っていくのだ。

2413

 ぐおお・・・。 泥にハマり足が抜けん。 それでもこれだけ水が引いてくれたので、なんとか歩くことができるぞよ。 2、3日前までは、田植えができそうなほど水が溜まっていたのです。

2411

 ぬかるみの少ないところは、稲刈り機で刈り取ります。 うーん、ここでは無限刃パワーいらないけれど、細かいことはよいのです。

2414

 何か大きいものが動いたなと思ったら、トノサマガエルではないかいな。 あまり多くはないけれど、こうしてここらでは生きています。 おいおい、そんなところにいると機械に刈られちゃうぞ!

2412 

 夕刻、ようやくすべての田んぼの刈り取りが終わったのでありました。

 でも、これで仕事は終わりではありません。 雨対策に細長いブルーシートをかぶせなければならないし、機械の洗浄や様々な後片付けもあります。

 明日にしようと思えば残せることもありますが、それでもできる事はやっておけば明日が楽になるかな。 

 『今日できることは今日やっておけば、明日できることが多くなる』 または 『明日に残しておけば、明日また何かすることが出てきて仕事が溜まってしまう』っていうのかな? 

 そんな気持ちになって、ちょっぴり頑張ってしまいますね。

 とにかく、明日も休みでよかったな。 明日中には後片付けを全て終え、次のプロセス・・・脱穀の作業の準備に入りたいと思います。

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (6)

2019年9月13日 (金)

ちょっと中休み・・・

 稲刈りのタイミングで台風通過・・・&連日の夕立で、田んぼが田植えができそうな状態になってしまいました。 実った稲の倒伏が、徐々に全体に広がっているのを見ながらため息ひとつ・・・。

 まあ、自然には勝てないということで愚痴を言っていても始まりません。 手刈りできるところは極力しておいて、田んぼの水が引いたら一気にできるように下準備だけはしておこうと思います。

 ということで、気持ちを切り替えてちょっと散策。 ほほう、秋の林床を歩くのは、やっぱり気持ちのいいもんです。

 ふと足元を見ると・・・。

2404

 ややや、怪しげなキノコが! 遠目には『カエンタケ』?に見えたのですが、近づいてみるとどうやら『ベニナギナタタケ』のようでした。

 『カエンタケ』と『ベニナギナタタケ』は姿は似ていますが、似て非なるものです。 『カエンタケ(火炎茸、または火焔茸)』はその名の通り、炎のように地面から湧き上がる毒キノコです。 (ベニナギナタタケも同じようなイメージですが)

 厚生労働省及び農林水産省、そして食品安全委員会等の機関でも注意を呼びかけています。 毒キノコの中でも致死率が高く、特に『カエンタケ』は触れただけで障害が現れるとな。

 色や形からまず食べてみようという気は起らないと思いますが、薬効があるとしてお酒に入れて飲んで死亡した事例はあるそうです。 怖いですね~。

2405 

 そしてこの『ベニナギナタタケ(紅薙刀茸)』・・・。 こちらは食べることも可能なようなのでややこしい。 まあ、誤食を避けるためには手を出さない方がよいですね。 『やらぬ仕事にミスはない』・・・ではなく、『君子危うきに近寄らず』です。

 

 それから松林の方へ。 おやおや見つけた。

2406  

 『森のエビフライ』 先日も記事に載せた、リスが松ぼっくりの中の種を食べるため、カジカジとしていった残りかすです。 いくつか見つかったので、葉っぱのお皿に盛り合わせてみました。

2407

 しかし、手前のものは出来がいいな! リス自体を見ることはできませんでしたが、身近なところで森の動物たちが一生懸命生きていると思うと、微笑ましくもあります。

 

 最後に見つけたのは・・・。

2408

 五つ葉のクローバー。 これには良い意味と悪い意味があるそうですが、現実派の私にはどうでもよいこと。 こうした面白いもの、変わったもので心豊かになればいいのです。

 気持ちがゆったりと切り替わったところで、また少しずつ稲刈りに向かって頑張るのだあ~!

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (6)

2019年9月10日 (火)

台風の置き土産

 各地で甚大な被害をもたらしていった台風。 ニュースで様々な被害の様子が伝えられていて、今までに思ってもみないような事象が起きているのを見るのは驚きとともに、被害に会われた方々には一刻も早く正常化することを願っております。

 今回の台風15号は狙ったように関東甲信越に向かってきたわけで、内心ヤバいなあと思っていました。 ここは土石流の災害が心配される場所ですので、急激な豪雨には要注意です。

 前日から役員さんたちが、村に流れ込む水路の水を遮断するなどの対策を講じておりましたが、どうなることやら。

2399

 運よく台風の直撃は避けられ、これは月曜日の朝。 雲が次第に晴れ、富士山がだんだんとくっきりとしてきました。 ここらは富士山を始め、日本有数の高山がそびえているせいか、台風の進路が急に変わることが多々あります。

 山々が『あっち行け!』というふうに、押し返してくれているのでしょうか?

2398

 それでも雨は結構降ったので、あちこちの田んぼの稲が倒されてしまっています。 時間のあった田んぼの持ち主は、台風の前に刈り取りは済ませてしまっていたので被害は免れています。 あー、うらやましい?

2400

 うちはすべての田んぼで部分的倒伏。 こうなると時間が経つにつれ全体的に広がっていきます。

 なにしろ全倒伏する前に稲刈りを済ませたいということで、休める人は仕事を休んで作業に入りました。 私もその一人^^;

 

 しかし問題が・・・。

 問題① 大雨のせいで田んぼに水がたぷたぷに溜まってしまい、稲刈り機が泥に埋まりスリップ。 うわお、こりゃ大変。 無理すると機械を壊してしまうので、水がある程度引くまで手刈りをしました。

2401

 ノコギリ鎌って言うのかな? 言葉通りノコギリのような刃を持った鎌で稲を刈り取っていきます。 (コミックやアニメの好きな人は、『るろうに剣心』の京都編の最強の敵『志々雄真実』が持っていた『無限刃』をイメージするとよろし)

 これでザクッザクッと刈り取り、ある程度の束にします。

 そして縛るのは、去年の稲わら。 3、4本で縛り、ねじって止めていきます。 稲は無駄になるところは少ないのです。

2402

 しかし、結構な労力・・・機械のありがたさをしみじみ感じます。

 

 問題② この暑さ・・・。 とくに火曜日はお街で体温を超える気温となったので、ここらでも相当な気温になったでしょう。 田んぼは日差しを遮るものがないので、炎天下で作業しなければなりません。

 休みなく滴り落ちる汗で、全身ぐっしょり。 夕方になってみると、飲んだスポーツ飲料やお茶のペットボトルが8本。 他に水やらなんやら飲んでいたので、相当な量です。

 

 火曜日はちょっとしたトラブルが発生。

 トラブル① ラピュ田の防衛大臣のMさんが、軽トラに稲刈り機を積んで通りがかりました。

 Mさん『おー、おまん、だめどー』 

 たろ『なんでー、調子悪いのけ?』

 Mさん『おー、泥ん中無理して刈ったら動かんようになっちまっとー。 今から〇〇農機へいくどー。 おまんも無理すると壊しちもーぞ』

 たろ『ありゃあ、大変じゃんけ』

 Mさん『おー、ちょっくら行ってくらあ。 ちくしょう、ぶっ殺してくれらあ・・・。 (何を?)』

 私も手刈りばかりではしんどいので、機械でできそうなところは泥にハマりながら刈っていたのです。 結局無理してたら機械がストップ。 ありゃ、ダメじゃん。 なんかの安全機構が作動したのでしょうか? (稲刈り機によっては、かなりの負荷がかかると折れるピンがあって、本体を守るという構造があります) はあ・・・。

 

 トラブル② 次はラピュ田農林水産大臣のSさん。 熱中症でしょうか、田んぼでぶっ倒れてしまいました。

 たろ『Sさん! 大丈夫け!』

 Sさん『具合いわりー』 顔が真っ白です。 

 たろ『休めし、休めし。 スポーツ飲料飲めし!』 木陰に移動して、20分ほど休憩。

 たろ『どうでえ具合は?』

 Sさん『う・・・、う・・・』

 たろ『なんで、ダメけ?(救急車?)』

 Sさん『う・・・、う・・・。 うひょひょ~!』

 あら、いつものSさんじゃん。 休んでいたら、なんとか復活しました。 よかった・・・。

 そうこうしていると、今度は私の体に異変が・・・。 耳鳴りがしてきて周囲の音がよく聞こえません。 それに平衡感覚が失われてきてしまい、私も急いで日陰に避難しました。

 少し休んでいたら、だるさは残るものの復活。 この暑さでは、やはり無理は禁物ですが、とにかく区切りの付く程度に進めておかなくてはなりません。

 自分が頑張って動かなければ、誰も何もやってくれません。 たとえ倒れてもやらなきゃならん・・・それが農業の現実だと思います。 後継者がいないわけだよなー。

2403

 紅く染まる空を見上げながら、ようやく吹いてきた涼しい風に、ほてった体をさらすのでありました。

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (6)

2019年9月 6日 (金)

空からの贈り物   -大接近・・・-

 真夏に逆戻り・・・? 照り付ける太陽の光は圧力があるように肌を刺し、噴き出す汗で体の水分をごっそり奪われそうです。 先日までは過ごしやすいなあ~なんていってたけれど取り消し!

 秋のランナーは、再び夏のランナーに追い越されたようです。

 でも、空は雲が少なく、久々に星空が見られそう・・・。 そんな期待を込めていたこと。 金曜日の夜・・・月と木星が大接近する日なのです。

2392

 夕刻、さっそく空を見上げると月のすぐ下に、木星が輝いていました。 ほう、ちょっと薄い雲があるのか月が滲んでいますが、まずまずの観察日和となりました。

2393

 ズームしてみると、ガリレオ衛星も見えます。 ちょっとした望遠レンズでもガリレオ衛星は見えるので、興味ある方はファインダーを覗いてみるのも一興かも?

2394

      (カリスト)   (イオ)【木星】(エウロパ)(ガニメデ)

 今はこの位置です。 木星の縞模様を見てみたいのですが、手持ちのカメラ機材ではさすがに難しいです。 フルサイズのカメラと超望遠レンズが欲しいなあ。 いつか、フルサイズのミラーレスカメラを買うのだ~! っと思っていますが、それにはせっせと働かないとね。

 ふと周囲に目を向けると・・・。

2389

 下界の夜景の上に、怪しげな光・・・。 星ではありません。

2390

 富士山の5合目?の灯なのでした。 多分明日は好天、そんなことで人が押し寄せているのでしょうかね。

2391

 拡大しても人影までは見えません。 条件が良ければ、山頂に向かう登山者の懐中電灯の光がチラチラ見えるのですが、まだ早いのかな?

 そしてもう一つ。 

 木星と土星の間・・・。 (木星の左には土星も光っています)

2395_20190906235601  

 ぼやっとした星が見えます。 これは『干潟星雲(M8)』です。 この星雲も、カメラの望遠で見ることができますよ。

2396

 拡大するとこんな感じ。 ホントはもっと赤い範囲があるのですが、星雲撮影用のカメラでなければ写らないかな? 

 少し上に『三裂星雲(M20)』もあるのですが、さすがに映りませんでした、残念。

 なんか天気が悪い日が多く、星空観察には不向きの夏空でしたが、今になってキレイな星空を眺めることができました。

2397

 やはり宇宙にはロマンがあります。

 日曜日(8日)の夜には、今度は月と土星が最接近します。 あいにくここらは台風が来そうなので見られないけれど、影響のないところの方は、夜の静かな空気に包まれながら見上げてみるのも面白いと思いますよ!

 

ポチッとよろしく!

| | | コメント (4)

2019年9月 5日 (木)

雑草=たくまC²

2386

 稲穂は重そうに頭を垂れ、そろそろ刈り頃だよ~と言いたげです。

 しかし、このところの天候不順で雨が降ってしまい、なかなかタイミングがつかめません。 雨で、せっかく水を切っておいた田んぼが、再び水をたたえてしまい機械が入れないのです。

 田んぼが乾かないと稲刈りの機械が水没してしまい、動けなくなってしまうのです。 からっと晴れた天気が続けば、さっそく稲刈りに入りたいと思います。

 その代わり、草刈りに励みました。

2383 

 雨の多い日々が続いたので、雑草が伸び放題。 まさに雑草の楽園です。 もう、4回は草刈りをしているのに、ゾンビのように蘇ってしまっています。

 まさに、『雑草=たくまC²』 (雑草 イコール たくましいの二乗)でございます。

2381

 気温も上がり、汗が雨だれのように帽子のつばから滴り落ちます。 さすがに疲労&飽きがきますので、ちょっと遊んでみました。 雑草の中に文字を書いてみたのです。

 よく見えないけれど、世界一有名な方程式です。

2382

 草刈り機でうまく書いたつもりですが、よくわからんなあ・・・。 ドローンでも飛ばして上空から撮影しないとダメ見たい。 ナスカの地上絵みたいなもんですね。

2384

 収穫の時期に雨ばかり続いたので収穫を逸してしまったアーモンドも、この畑にあります。 アーモンドはある程度乾燥した土地でないと収穫の難しい果実です。

 日本では収穫時期がちょうど梅雨時にあたるので、今年の天候では輪をかけて不作となりました。 本来ならぱっくりと実が口を開けてカラッとするのですが、そのまま腐ったり、虫が入り込んでいたりして散々でした。

2385

 それでも、こじ開けてまともそうなものだけは収穫してみました。

2388

 なんとか草刈りを終えました。 いやいや、暑さでさすがにくたびれたぞい。 でも、あと3か所雑草だらけの休耕田があるので、まだ頑張らないとなあ・・・。

 この畑にはトゲなしユズも植えてあります。 雑草に埋もれていた可愛らしい実が、ようやく日の目を見た感じ。

 草刈り中・・・ちょっとしたトラブルが・・・。 石垣に近いところを刈っていたら、いきなり右の手の甲に激痛が!

 『いってえ!』 ハチに刺されてしまいました。 たぶんアシナガバチでしょうか? 手袋はしていたのに、その上から強襲してきたのです。 近くに巣があったのでしょうね。

2387

 夕刻、私の右手は腫れ上がり、まだ手袋をしているようになってしまいました。 『あ~、いてー。 かいい~。 たまらん』 熱ももってしまって、その夜は寝苦しかったこと。

 今までハチには何度か刺されたので、その時には注意しようとは思っていましたが、すぐに忘却。 やはり油断はいけませんね。

 

 さてさて日中、雑草の中に描いた数式・・・『E=mc²』 私がリスペクトしているアインシュタインの式です^^;

 でも学生の頃、この式を初めてみたときになんじゃらほいと思いました。 なぜなら、m(質量の単位はkg)、c(光の速さだったら単位はm/s)だし E(エネルギーだったら J(ジュール))じゃん。 なんでそんなことになるの? と思いました。 数学は単位を合わせて計算するのが普通じゃない?と・・・。

 いろいろと本を読んでいくと、まさにそれが相対性理論が生み出した美しい方程式だったのです。 といっても、相対性理論を理解できたという訳ではありません。

 相対性理論が発表されたころ、『理解できるのは世界で3人しかいないそうですね?』という問いに『それはアインシュタインと私と、あと一人は誰だね?』と答えたのは、アーサー・エディントンという人。

 彼はアインシュタインの熱烈なファン?で、実際に皆既日食の観測を行い、太陽のすぐ近くを通る星の光は曲がるということを実証してみせた人で、彼がアインシュタインを一気に世界的な物理学者に押し上げたのです。

 ・・・とまあ、アインシュタインを語らせたらとまりませんので、ここでは難しい話はやめてアインシュタインのエピソードなどを少し。 あまり本に載っているものでもないので、?な逸話も混じっているかもしれませんが。

 幼い頃のアインシュタインは癇癪もちで、気に入らないことがあると、よく妹の頭をポカポカやったそうな。

 のちに妹のマヤは、『天才の兄を持つには、頑丈な頭蓋骨も必要です』と述べています。

 少年時代は、目立たないおとなしい子供で、学校が好きでなかったし教師たちもよく思っていなかったようです。 でも、成績は学年トップ。

 その後ドイツから、イタリア、そしてスイスへ・・・。 そして16歳で光に関する疑問を持ち始めます。 (後の相対性理論への第一歩)

 大学卒業後も就職が決まらず、高名な学者たちの論文を読み漁り、間違いを探し出して手紙を送るなどイヤなやつに。

 結婚するも、その相手が母とうまくいかず狭間に立たされます。

 『私の母は、母親としてはよい母なのですが、姑としては悪魔です』(アインシュタイン談)

 さらに父の会社の経営不振で、どん底生活に・・・。

 つてで特許局へ就職。 そこで相対性理論をまとめ始めます。

 そして『奇跡の年』と呼ばれる1905年に論文を発表。 光電効果、ブラウン運動、移動する物体の電磁気学(のちに特殊相対性理論)の三大論文です。

 ノーベル賞は後年このうちの光電効果に与えられました。 本来なら相対性理論にも与えられそうですが、様々なしがらみがあって実現しませんでした。

 こうしてアインシュタインは、いくつもの大学の教授として引っ張りだことなったのですが、決して順風満帆ではありませんでした。 離婚、不摂生な生活により病気となり療養生活、ナチスのブラックリストに載り追われる(彼はユダヤ人)、直接関与はしていませんが原爆の実現化、再婚の妻の死など、波乱万丈の人生だったのですね。

 しかし、ユーモラスな風貌やその人柄により一線を画した物理学者として親しまれてきたのでしょう。 そして数々の名言も残しています。まあ有名になれば、何気ない一言も取り上げられることとなるでしょうが、私の面白いと思う言葉を・・・。

 『素敵な女性と2時間過ごしていても、たったの1分としか感じられないけれど、熱いストーブの前では1分でも2時間耐えているような気がする。 それが「相対性」だね』

 『知る喜び、それは自然界からの最大の贈り物です』

 『学ぶこと。 それは人がずっと子供のままでいられることが許されている、唯一の行為です』

 『プルトニウムの性質を変えるより、人間の性質を変える方が難しい』

 などなど。

 他にエピソードもたくさんありますが、それはまたの機会に・・・。

 

ポチッとよろしく!

 

                                  参考文献

 『相対性理論と量子論 Gakken』

 『アインシュタイン -大人の科学伝記 サイエンス・アイ』

 『いちばんやさしい相対性理論の本 彩図社』

 『相対論的宇宙論 講談社ブルーバックス』

| | | コメント (8)

« 2019年8月 | トップページ | 2019年10月 »