まちゅぴちゅとは言っても、マチュピチュではなく、まちゅぴちゅであります?
我が家のあるところは山に近い・・・というか山で標高が高く、知人にはマチュピチュに住んでいると言われます。 実際そんな感じだし、悪い気もしないので、まちゅぴちゅ住人だと堂々と、かつ、一種の誇りさえ感じています。
お街に生まれ育った私の、ド田舎に住むという人生最大の選択は間違っていなかったと自負してもいますが、年々加速されていく少子高齢化、確実な人口減で限界集落となるのも近いんじゃないかな?
しかし、住人が猿に入れ替わろうと、鹿が庭を飛び回るようになろうと、また猪が畑を転がり回ろうと、さらに熊の来客に怯えようと、私はここに骨を埋めるつもりです。
・・・とまあ、ちょっと情緒的になる、気だるい『灯ともし頃』です。 さてさて、ここ2、3日の出来事をオムニバス形式で・・・。
【ハナイカダ 切られる!】
やっぱり、やられました。 毎朝毎晩、田んぼの水見(水の調整)のついでに観察し、成長を楽しみにしていたハナイカダの木。

根元からばっさり!
危惧が的中してしまいました。 枝が伸びて、道路の方にちょっと進出していたので心配していたのですが、目障りだったのでしょう、切られてしまったあ。
この道は通る人間も限られるところなんだけど、早めに対処しておかなかった私のミスでもあります。 枝を紐などで山側に誘引して、目立たなくしておけばよかったと悔やまれます。

道には、無残に千切れた枝の残骸も。 葉の様子から本日(20日)の仕業でしょう。 くっそう・・・。 田舎のおっちゃんたちはこんなものです。 目障りなものは切る! まちゅぴちゅ人の誇りなどないのです。
不幸中の幸いというか、救いとなったのは・・・。

奥の方の小さい株が無事で、実もなんとか乗ってます。 これからも目立たぬよう、生き抜いてくれい!
【ドクダミは、なんで毒だみ?】

ここらでは、蔓延る雑草としてドクダミがあります。 結構やっかいで、石垣の隙間にもびっしり。 刈払機(草刈機)で、ちゅわーんと刈ってしまいますが、独特の臭気が漂ってくっさ!
昔は様々な薬効をもつ薬草として用いられ、『十薬(じゅうやく)』と呼ばれていたそうです。 現在ではそのありがたみも失せ、雑草の名前を冠せられてしまったちょっと可哀そうな草でもあります。
薬として用いられたのにドクダミとは? Wikipediaによると「毒矯み」・・・毒を抑えるとありますが、「毒にダメを押す」からという説もあります。
ちなみに白い花びらのようなものは、花びらではなく「苞」であり、花は中心の花柱のごく小さい雄しべと雌しべだけで、花びらはないということ。
「苞」は4枚が一般的だけれど、違うものがあるかと思いキョロキョロしてみました。

3枚のものみっけ! 2枚はさすがにないなあ・・・。

お、5枚のものもありました。 いやいや、感心していないで、刈るべし! 刈るべし! 刈るんだ、たろ~!
すまんが君らを茂らせておくと、ムカデやヘビの隠れ家となってしまうんよ。 田舎の自然は危険もいっぱい。 先日、ワンちゃんが草むらで前足で何かをぺんぺんしていたので見たら、でっかいムカデでした。
私は以前、咬まれてかなり痛い思いをしたので、ムカデを見ると即成敗じゃ! ドスドス! ワンちゃんも刺されないで良かった。
さて、ドクダミは独特の匂いがあると述べましたが、植物たちの匂いには重要な意味があることが、近年分かってきました。 ドクダミの匂い物質は揮発性の「デカノイルアセトアルデヒド」で、実際に抗菌、抗カビ効果があることが科学的に証明されているようです。
昔の人は、科学的根拠などは知らなかったけれど、経験的に利用していたのですね。 なお、揮発性なので、干したら抗菌作用はなくなるようです。
さらに、匂いは植物間の情報伝達手段でもあることが分かってきました。 有名な研究では『リママメ』でしょう。 リママメはハダニ(ナミハダニ)に食害されると、ハダニを食べる肉食のダニ(チリカブリダニ)を呼び寄せる匂いを出し、自分に害をなすハダニを食べてもらいます。
いわゆる匂いが「救難信号」ということです。 さらに不思議な事には、食害されていない葉っぱまでこの匂いを出し始め、食われる前にチリカブリダニを呼んで備えるということ! 被害の前にガードマンを雇い入れるのですね。
リママメに限らず、植物は匂いばかりでなく、様々な方法で防御システムを作り出しています。 これらを踏まえてでしょう、植物は「痛み」を感じているとの研究発表もあったと思います。
動物のように動かない(動けない)植物が、こんな複雑で高度なシステムを持っているなんて驚きです。
(参考文献 「したたかな植物たち 多田多恵子著」 「これでナットク! 植物の謎 日本植物生理学会編」)
【やはり蛍は減っている?】
うーん、少ない・・・。 毎晩粘っているけれど、数えるほどにしか舞っていません。 年々減っているのは分かっていたのですが、今年は少なすぎ・・・。
蛍を撮れるのは、あと何年くらいだろうと心配になります。 早ければ2、3年かも? やはり、水路のコンクリート化、農薬の使用が、確実に生息場所を蝕んできているんですね。
去年、蛍の生息する川の整備が決定し、工事が始まることになりました。 圃場整備という名目なんだけれど、これで蛍は激変(または絶滅)する方向へ加速されていくでしょう。
田舎の風景が、また一つ消えていくんだなあ・・・。 寂しい限りです。

蛍が少ないので、どうも絵になりません。 待つか追うか・・・。 たくさん飛んでいた年は、構図を決めて待っていると、結構ファインダーの中に来てくれたけれど、今年は待てど暮らせど来ない!
仕方なしに追うことに。 蛍が光るのを見つけると、近くに駆けつけるのだけど、カメラをセットしている間にひょいっとどこかに行っちゃう。 なんか、慌ただしいなあ。
ホー、ホー、ホータル来い♪ そっちのみ~ずは汚染水!

時間の早いうちは田んぼにきてくれますが、そのうち山の木々の方へ移動してしまいます。 統計的に夜8時台が勝負のようです。

くっそう、遠いな。 これでは情けない人魂だあ。
毎晩蛍の撮影に出かけて、家族にはヒンシュクを買ってます。 でも、この季節にしか現れないんで、粘って狙ってみます。
そういえば最近、山の方から聞きなれない動物の鳴き声がします。
猿や鹿は分かるけれど、高い調子でギャッギャッっと。 うむむ、もしかしてハクビシンかアライグマ? 彼らはどんな風に鳴くのかよく知りませんけど、大型の動物ではないはず。
ハクビシンはともかく、アライグマはペットとして飼ったけど、結局飼い切れなくて山に放しただろうものが増えています。 小さいけれどかなり凶暴でヤバいんですよ。
鳥獣害対策の捕獲班、「アライグマよ、手を洗って・・・ではなく、首を洗って待ってろよ!」と勢いがよかったんだけど、いざ檻にかかると大暴れして危なくてダメで、結局逃がしてしまったそうな。
まったく無責任なペット輸入は、ホントやめてほしいです。
とにかく得体の知れない鳴き声を背に、今夜も蛍狩りに勤しむのでありました。
