
【かこつべき故を知らねば覚束な如何なる草の縁なるらむ】
若紫、紫の上・・・、やはり紫の君というのがいいな。
ここは『アヤメの里』と呼ばれるように、あちこちにアヤメが咲いています。我が家の庭、畑にもたくさん。場所によっては紫であふれるくらい。
でも、紫の君の『光源氏』どころか、『(汗の)光る現地民』となった連休でありました。これだけまとめて農作業に打ち込んだのは、久々だなあ。
大きい声では言えませんが、仕事より一生懸命になりました。
底の抜けて一向に水の溜まらない田んぼは、田植えの終わった隣りのにーちゃんの大型のトラクタで深く耕耘してもらいました。

おー、さすがに効率がいい。みるみるうちに耕耘されていきます。いやー、助かる助かる、ありがとごいす!
田舎はこういったコミュニティが大切ですね。
田舎に住むには二つの選択肢があると思います。『郷に入れば郷に従え』で、ある程度妥協して溶け込むか、それとも『自分を貫いて孤高に生きる』かです。
私は前者を選択しました。
確かに自分の育った環境に馴染めないこともたくさん。しかし地域社会学的にも、常識は変化すると言えるように、自分の持っている物差しが果たして正しいのかもわかりません。
習俗・・・風俗や慣習は、受け入れてしまえば良いこともたくさんあります。新参者が『キタレモン』などと言われたのは、ひと世代前の事だったのも運がよかった。
現在は、年齢も比較的近い連中で気軽に話せる環境になってきてると言えます。今回の耕耘を頼んだのも、そうしたコミュニケーションがあってこそのものだと思います。
「おー、いいぞ。やってやらー」と、ふたつ返事で快く引き受けてくれたにいちゃんは、私が師匠と仰ぐとなりのあんちゃん。
昔は村一番?の悪たれだったようですが、今は頼れる存在となっています。

連休中、車庫を掃除してでてきた農業機械。でも、これ何? 単純だけど不思議な構造。
たまたま農業専門店で見かけて、稲の間に生えた雑草を取る、草取り機なるものと判明しました。でも、どうやって使うんだろ? 謎は残る・・・。
とりあえずメンテナンスをば。エアクリーナを清掃して、プラグ点検。燃料系はプライミングポンプが破損。さっそく交換。
エンジンの構造からみて、燃料は混合油。よっし試運転・・・と思いましたが、小さな影に気がついてやめました。

向かいの石垣にキセキレイが。お尻を上下させる独特の動き。
私の存在で警戒しているようです。むむむ、なんかキショい虫をくわえているぞ。子育て中なんでしょか。
そういえば忘れていた、車庫のシャッターの上。

なんか巣が見える。
わあ、ごめんごめん邪魔しちゃったね。でも、君のテリトリーの中には、私の作業場があるんだよー。
姿を見られないように、車庫の奥に引っ込んで作業を続けましたが、さすがにエンジン音はまずいと思いました。

時間を経て、水を入れ始めた田んぼ。
あ、キセキレイ。先ほどのやつかな? 耕耘したばかりのところは、虫が這い出るせいか、鳥たちが集まるようです。
徐々に水が溜まっていきそう。うーん、このまま様子を見ていくしかないなー。あー、無事溜まりますように。

トラクタのタイヤの跡に水が流れていって、美しい縞模様になっていきます。となりの田んぼは・・・。

もう、田植えが終わり、早速賑やかにカエルの合唱。私の田んぼでも、いつしかこんな姿になって、生き物たちの住処にしたいもんです。

村遺産の空中神田も、徐々に水の満たされた田んぼに変わっていきます。この風景、もう何度見たことでしょうか?
これからも、ずーっと続いて欲しい景色です。富士山が世界遺産になる日も間近なんだから、ここも含めてくれないかな。
しっかし軽トラばっかりだなー。でも、田舎の風景に一番映える車です。